東京の街を舞台としたアンソロジー、林真理子ほか『東京小説』(紀伊国屋書店、2000/角川文庫、2003)所収。よくわからないけれど、もともとフランスで出版されたものらしい。……そんなことよりも、新宿の紀伊国屋書店でたくさんの本を万引きするような小説(を収録した本)が、その紀伊国屋書店から出版されているのが、ちょっと謎である。中身を確認しなかったのかな(そんなわけはないか)。

新宿は怖い街である、みたいな結論(?)の話かもしれない。主人公(「ぼく」=良太)は、どこの出身なのかな?(どこか書いてあったかもしれないが、見つからない)。行動をともにしている伊知郎のほうは栃木か。大学生と違って勉強するために上京した浪人生は、勉強が忙しくて学校と家(下宿)を往復するだけで、あまり外を出歩いたりしないのかもしれない、けれど、この2人のように「大学に行くことに興味を失っ」(文庫、p.181)てしまった場合が、ちょっと問題が起こりそうな感じである。デンジャラスな東京(←想像)、落ちれるところまで好きなだけ落ちていけそうな…。ただ、これはまだ暑い盛りの話で(予備校が涼みに行く場所に!)、どうして半年も経たないうちに興味を失ってしまったのだろうか、この2人は。だったら最初から…みたいなことを思うのは他人事だからだろうか。

「ぼく」は、アパートの向かいのホテルに男と出入りしている、幼く見える、でも見るからにプロ(の娼婦というか)の女の子が気になっていて、望遠レンズ付きのカメラで撮った写真を何枚も持っている。彼女には偶然、会うことになるのだけれど(片言の日本語は話せる)、なんだかんだで、結局、後ろには怖い人たちがいて……みたいな話。←ぜんぜんうまくまとめられていない(涙)。

[追記]その後、作者単著の『きみがつらいのは、まだあきらめていないから』(角川文庫、2011.10)にも収録される。
 

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