講談社、2003/講談社文庫、2006。恋愛小説というのはこういう小説のことを言うのだろうか。文章はとてもきれいというか、清潔感がある感じでけっこう好きなんだけれど、話(ストーリー)自体がどうでもいいように思える、というか、ちょっと底が浅いように感じてしまう。

考えてみれば、浪人生というのも意外と定義が難しいかもしれない。この小説のように経済的な理由でその年の受験は見送って、アルバイトでお金を貯めながら、翌年の入試を受けるために勉強している、という人もいるだろうし、高校卒業後、一度就職をして、でもやっぱり大学生になろう、と思って勉強している人もいるだろうし(例えば、重松清『さつき断景』の藤井さん)。

でも、思うに、浪人生が浪人生らしいのはやっぱり、少なくとも1度大学に落ちているからではないだろうか。人によって大小(強弱)の差はあれ、1度、挫折感を味わっているというか、それが浪人生を特徴づけているような気がしなくもない。個人的には、まだ大学を受けたことがない人を、浪人生とはあまり認めたくないような気も(差別か?)。そう、あと、浪人生活の開始時点もけっこう曖昧、かもしれない。例えば高校をまだ卒業していなくても(つまり高校生でも)、行くつもりだったすべての大学に落ちた時点で浪人生になった、ということでいいのではないか。と、個人的には思ったりするのだけれど、どうだろうか。
 

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