柴田よしき 『象牙色の眠り』
2007年2月19日 読書
廣済堂出版、2000/文春文庫、2003。柴田よしき、初めて読んだけれども、うーん、どうもねえ…。それはそれとして、いちおう出てくると言えば出てきます、浪人生。家政婦は見た、ではないけれど、語り手の「あたし」(工藤瑞恵)は通いの家政婦。その通っている家(原家)の長男(裕次)が浪人生。
<(略)裕次は、昨年大学受験に失敗して以来市内の有名予備校に籍をおいていたのだが、将来にわたって食うにはまったく困らないという環境のせいなのか、どこまで本気で大学に行こうとしているのかわからない感じがある。もう夏休みに入るというのに、相変わらず、授業はほとんどさぼり、夕方からどこへともなく遊びに出かけて朝帰りの毎日なのだ。>(文庫、p.13)
高校卒業後、なんとなく大学へみたいな感じかな。勉強していない理由がたんなる怠惰ではないあたりが、ふつうの(?)小説とは多少異なるか。父親(他界)が一生働かなくてもいいだけの財産を残してくれている、というのは、お羨ましいかぎりです。舞台は京都なので「市内の有名予備校」というのはいくつかに限定できるかも。「授業はほとんどさぼ」っているのに「予備校での友達」(同、p.129)はいるようだ。どうでもいいけれど、音楽はビートルズ好きで、性格は優しいらしい。(推理小説の常で、あとあと「実は…」的な話もあり。)
血のつながっていない弟(祥、後妻である愛美の連れ子というか)もいるけれど、1人血がつながっている姉(長女かおり――ひき逃げ事故にあい、意識が戻らず、象牙色の顔で眠り続けている)がいるので、これはいちおう例のパターン、男女1人ずつの子どもがいる場合、浪人生は男のほう、に当てはまるかもしれない。(ネタバレするから書きにくいけれど、「実は…」的な話があるかもしれない(し、ないかもしれない)から、とりあえず小説の最初のほうの段階では。)
<(略)裕次は、昨年大学受験に失敗して以来市内の有名予備校に籍をおいていたのだが、将来にわたって食うにはまったく困らないという環境のせいなのか、どこまで本気で大学に行こうとしているのかわからない感じがある。もう夏休みに入るというのに、相変わらず、授業はほとんどさぼり、夕方からどこへともなく遊びに出かけて朝帰りの毎日なのだ。>(文庫、p.13)
高校卒業後、なんとなく大学へみたいな感じかな。勉強していない理由がたんなる怠惰ではないあたりが、ふつうの(?)小説とは多少異なるか。父親(他界)が一生働かなくてもいいだけの財産を残してくれている、というのは、お羨ましいかぎりです。舞台は京都なので「市内の有名予備校」というのはいくつかに限定できるかも。「授業はほとんどさぼ」っているのに「予備校での友達」(同、p.129)はいるようだ。どうでもいいけれど、音楽はビートルズ好きで、性格は優しいらしい。(推理小説の常で、あとあと「実は…」的な話もあり。)
血のつながっていない弟(祥、後妻である愛美の連れ子というか)もいるけれど、1人血がつながっている姉(長女かおり――ひき逃げ事故にあい、意識が戻らず、象牙色の顔で眠り続けている)がいるので、これはいちおう例のパターン、男女1人ずつの子どもがいる場合、浪人生は男のほう、に当てはまるかもしれない。(ネタバレするから書きにくいけれど、「実は…」的な話があるかもしれない(し、ないかもしれない)から、とりあえず小説の最初のほうの段階では。)
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