連作集というか、探偵役に同じキャラクターが登場する同名の短編集(実業之日本社、2001/講談社文庫、2006)の表題作。このタイトルで浪人生が出てこないわけがない、と思って読んでみたところ(※以下ネタバレちょっと注意です)いちおう出てきました。私はその名前の通りには(というか九州にさえ)行ったことがないのだけれど、予備校がたくさんある、とは話に聞いていて。けれど、最近ではそうでもないらしい、

 <今はもう大手予備校がいくつかあるだけで、昔はそこここにあったはずの鬱屈した空気は消え、賑やかな飲食店街になってしまった。>(文庫、p.251)

あと、浪人生の中でも美大受験生は、なんとなく勝手なイメージで、明るい人ばかりなような気がしていたけれど、この小説に出てくるのは、暗い人だったり(明るくても)垢抜けていない人だったりする。通りはけっこう変化しても(?)、語り手(あるいは作者)の中で、昔からある浪人生のイメージ(鬱屈した人間?)は、そのまま残っているのかもしれない。
 

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