同名書(講談社、1999/講談社文庫、2002)所収。これもひと言で言えば、ガール・ミーツ・ボーイな感じ。タイトルを最初に読んだときには、恋するのを休む日、みたいな意味かと思ったのだけれど、逆なのかもしれない。恋をする休みの日、みたいな意味? 別にどちらでもいいけれど。8月……ではなくて9月の半ばすぎ。7月に高校を中退したフィン(山口佐知子)は山梨の別荘へ行くことに。近くの渓谷の散歩コースのような山道を登り、その先の滝壷で泳いでいた良一(西河良一)と出会う。

 <「二十一で浪人って、何浪?」/「高校二回ダブって、それから二浪」/「それって結構はげしくない?」/「まあ、そうかな」>(文庫、p.41)

「やばくない?」とかではなく「はげしくない?」というのがちょっとよいかも。なぜ高校で2回だぶって2浪中なのか、その理由みたいなものも先を読むと語られている。けっこう大変な目に遭ったらしい。関係ないけれど、自宅浪人なのかな? 身体がなまらないように朝、牛乳配達のアルバイトをしているらしい。フィンのほうは、父親が病気になって愛人の看病を受けながら入院していて(母親は実家に戻ったまま「娘がえり」)、なんていうか、社会的な身分がちゅうぶらりんなうえ、平気なふりをしているけれど、本当は心配事とか、何か大変なものを抱えている者どうしが(必然的に?)出会ったというか、そんな感じかもしれない。フィンの別れたはずの(元)彼氏は、平気なふりとかではなく、たんに軽々しいだけ? それがかえってよい、ってことなのかもしれけれど。

一般にというか、一般化なんてできないとは思うけれど、高校を中退して大検(まだ「大検」と言ったほうが通じるか)の勉強をしている人と、高校は卒業していて大学受験の勉強をしている人(浪人生)とは、心理的にどう違うのかな。やっぱり、高卒の学歴(資格みたいなものだ)がないぶん、前者の人のほうが不安が大きいか。
 

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