長野まゆみ 『紺極まる』
2007年3月29日 読書
大和書房、2003。まだ文庫化されていないのかな、だいぶ前に図書館で借りて読んで、改めて、古本屋で単行本を買ってしまったのだけれど。内容は、物語性も、深みもあまりないような気がするし、お薦めかと言われれば、うーん…ちょっと、という感じ。トラウマという感じではないけれど、ちょっと後ろ向きな小説でもあるかもしれない。何度も書いているような気がするけれど、明るい小説が好きなんです、拙者。※以下、いつものようにネタバレしているのでご注意ください。
予備校講師の川野(川野芳)が、借りたはずのマンションの部屋へ行ってみたところ、なかから学生風の若い男が出てきて、あなたは詐欺にひっかかったんですよ、みたいなつっけんどんなことを言う。それで、いろいろ考えた結果、ルームシェアをしないか、みたいなことを提案して、強引にいっしょに住み始める。場所は都内で、「T大」の近くらしい。――よく知らないけれど、いわゆるボーイズ○ブな、BL系な小説といえばそういえるのかもしれない。学生風の男は、真木(真木敦)と名のる予備校生で、実は川野が勤めている予備校の生徒であることがわかる(偶然なのだから仕方がない)。描かれている学校はなんとなく高校っぽいかな。クラスは「国立理系を狙う上位クラス」(p.29)とのこと。学校では大きな眼鏡を掛けていて、浮いた格好をしていたりする。眼鏡をはずすと実は的な……お約束か(汗)。1つ屋根の下からしてもうお約束だけれど。
真木は「S県出身」で、地元には元同級生の浦里(浦里亨)という恋人(?)がいるらしい。奥さんと別れてまだ数ヶ月の川野は、男には別に興味はなかったらしいのだけれど、バイ○クシャルらしい真木の兄(寧)にけしかけられたりして、ちょっとその気に。あと、そう、なんだかよくわからないけれど、お料理がおいしそうな小説かもしれない。そういえば、服装の記述も細かいかな。女の子向けの小説という感じがするけれど、ただ、学校の女子学生、山口さんはちょっと偽悪的な感じに描かれている。――なんていうか、どうも好感を持てる人物があまり出てこないような。川野にしても真木にしても。
現役のときに大学(T大、理系)に落ちた理由は、「二次試験の前日に急性盲腸炎で入院したから」(p.22)とのこと。よくわからないけれど、病気にしろ事故にしろ、試験当日のトラブルが理由で不合格になる(あるいはそもそも受けられない)みたいなケースは、漫画とかライトノベルとかで多いような気もする。試験って(日本では)冬に行なわれることが多いから、実際に風邪くらいならよくあるのかもしれないけれど。「急性盲腸炎」ってかなりの低確率? この小説は、いわゆるライトノベルではないかもしれないけれど。1浪しての結果(合否)も、書かれているけれど、それは伏せておいたほうがいいかな(ラスト2ページ)。
[追記]その後、文庫版が出る。だいわ文庫、2009。
予備校講師の川野(川野芳)が、借りたはずのマンションの部屋へ行ってみたところ、なかから学生風の若い男が出てきて、あなたは詐欺にひっかかったんですよ、みたいなつっけんどんなことを言う。それで、いろいろ考えた結果、ルームシェアをしないか、みたいなことを提案して、強引にいっしょに住み始める。場所は都内で、「T大」の近くらしい。――よく知らないけれど、いわゆるボーイズ○ブな、BL系な小説といえばそういえるのかもしれない。学生風の男は、真木(真木敦)と名のる予備校生で、実は川野が勤めている予備校の生徒であることがわかる(偶然なのだから仕方がない)。描かれている学校はなんとなく高校っぽいかな。クラスは「国立理系を狙う上位クラス」(p.29)とのこと。学校では大きな眼鏡を掛けていて、浮いた格好をしていたりする。眼鏡をはずすと実は的な……お約束か(汗)。1つ屋根の下からしてもうお約束だけれど。
真木は「S県出身」で、地元には元同級生の浦里(浦里亨)という恋人(?)がいるらしい。奥さんと別れてまだ数ヶ月の川野は、男には別に興味はなかったらしいのだけれど、バイ○クシャルらしい真木の兄(寧)にけしかけられたりして、ちょっとその気に。あと、そう、なんだかよくわからないけれど、お料理がおいしそうな小説かもしれない。そういえば、服装の記述も細かいかな。女の子向けの小説という感じがするけれど、ただ、学校の女子学生、山口さんはちょっと偽悪的な感じに描かれている。――なんていうか、どうも好感を持てる人物があまり出てこないような。川野にしても真木にしても。
現役のときに大学(T大、理系)に落ちた理由は、「二次試験の前日に急性盲腸炎で入院したから」(p.22)とのこと。よくわからないけれど、病気にしろ事故にしろ、試験当日のトラブルが理由で不合格になる(あるいはそもそも受けられない)みたいなケースは、漫画とかライトノベルとかで多いような気もする。試験って(日本では)冬に行なわれることが多いから、実際に風邪くらいならよくあるのかもしれないけれど。「急性盲腸炎」ってかなりの低確率? この小説は、いわゆるライトノベルではないかもしれないけれど。1浪しての結果(合否)も、書かれているけれど、それは伏せておいたほうがいいかな(ラスト2ページ)。
[追記]その後、文庫版が出る。だいわ文庫、2009。
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