同名書(河出書房新社、1974/河出文庫、1981)所収。全集か何かでも読めるのではないかと思う。いちおう最後まで読んだけれど(だいぶ前だけれど)、読んでいると変な影響を受けてしまいそうで、元気なときに読んだほうが賢明かもしれない。もちろん(?)ふつうに勉強してふつうに大学へ入ろうとしている浪人生には、あまりお薦めできない小説かと思う。

「地図」というのは、とりあえず、文字通りの意味では(比喩的な意味はあるだろうけれど)、ノートに作っている、新聞を配っているさいに気に入らない家とかがあると×印を付けたりするもの。×印の家へいたずら電話もしたりする。鬱屈しているというか、ふつふつとしているというか、ひと言で言ってしまえば、危ない少年、という感じかもしれない。自分のことは「新聞配達の少年」とも規定しているけれど、自分が「予備校生」であるとも繰り返し言っている。ただ、にもかかわらず、学校にはほとんど行っていないらしい。予備校のテキストとかノートとか、教科書、参考書などは頻繁に出てくるのだけれど。部屋(主人公は住み込みで働いている感じ)は30歳すぎの女々しい感じの男と相部屋で、お布団は汗やら精液やらが染み付いているものらしい。大学へ入ってどうなる? みたいなことも言っているし、苦学はしているかもしれないけれど、疲れていてそのうえ時間もないなかで勉強するといったいわゆる苦学生(のイメージ)ではない。いまどきの高校生とかが読んでどう思うのかはわからないけれど、青春小説といえば青春小説である。

季節は……最初は10月くらいか。大学はいちおう受けるのかな、この人(吉岡くん)。
 

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