講談社、2003/講談社文庫、2004。2003年の7月から9月にかけてTBS系で放送されたTVドラマのノベライゼーション。著作権はどうなっているのやら、脚本の小松江里子ではなく豊田美加という人が小説化している。

 <東協百貨店新入社員、柏葉東次の職場はデパ地下。同期のエレガとの恋が始まった頃、颯爽と、元カノが広告担当として現れた。女神の悪戯!? 終わったはずの恋もまた始まっていく。愛しさとやましさ、元カノVS今カノに翻弄される東次だが…恋に仕事に真直ぐな社会人一年生を生き生きと描く。人気ドラマ、ノベライズ!>(文庫カバー)

恋愛模様はひと昔前な感じがするけれど、ある程度ちゃんと仕事をしているあたりは好きかな。いま思うと(ドラマは7割くらいしか見ていなかったけれど)、「ラーメンフェスタ」とか、食べ物が出てくるので、放送時間が日曜日の夜、意外とおいしそうなドラマだったかもしれない。(そういえば、関係ないけれど、堀北真希の『鉄板少女アカネ!!』ってあまりおいしそうじゃなかったような。)

そんな働く「元カレ」こと東次くんの弟(裕二)が予備校生。ドラマでは斉藤祥太くんが演じていた。日本テレビ系『ハケンの品格』でもそうだったけれど、斉藤くんって(双子の兄弟の2人とも)軽いノリの役が多いような気が。それはともかく、ちょっと珍しいと思うのが、恋愛の対象が予備校のほかの生徒とかではなく予備校の事務員というあたりかもしれない。最初は友達たちとからかい目的で、田舎から出てきてあか抜けていない事務員の仁科弘枝(ドラマではソニン)を合コンやデートに誘うのだけれど、そうこうするうちに本気になってしまう。でも、弘枝にはダンス教室で知り合った10歳年上の千歳一(天野ひろゆき)という熱をあげている男がいて……みたいな感じ。(天野くん→とりえが社交ダンス、みたいな現実とのリンクもキャスティング、あるいは脚本が安易なのか何なのか。ソニンは……まぁいいか。いまごろどうしているのやらゴ○キ・ブラザー。あと、どうでもいいけれど、怒ると高知弁って、高知県出身なのはヒロスエのほう? 『ハケンの品格』でも、加藤あい演ずる森ちゃんが群馬出身、でも、本当に群馬県出身なのは篠原涼子とか、微妙なねじれが…。)

話が逸れるけれど、東次(書き忘れていたけれど、主役、TVドラマでは堂本剛)が働いているいわゆるデパ地下で、シューマイとかを売っている千歳さんは、弘枝から、最初はストーカーまがいなほど(?)アプローチされて、でも、悪い気はしていないみたいなんだけれど、問題があったというか、10歳年下であることをしきりに気にしている。今までもてたことがなくて自分に自信がない、その裏がえしにしてもちょっと違和感を感じなくもない。あとのほうで、実は東次の「今カノ」である早川菜央(内山理名)のことをちょっといいな、と思っていたみたいなことが書かれているけれど、早川さんだって8つくらい下になるのではないか。8歳差がよくて10歳差がいけない、と思うのはなぜ?(わからんです)。

広告会社に勤めていてデパートに出入りしている、東次の「元カノ」というか「前カノ」の佐伯真琴(ドラマでは広末涼子)と、彼女と組んで仕事をする(デパートの)企画宣伝部の藤枝さん(佐々木蔵之介)との年の差はいくつだっけ? ――あれ、同じくらいの8つ差だよ。飄々とした感じのプレイボーイ(?)藤枝さんは、冗談なのか本気なのかわからない感じで、真琴にアプローチするのだけれど、8歳差とか、年齢差はあまり気にしていない模様。このドラマ/小説では8歳差以下なら許されるのか何なのか。というか、藤枝さん(下の名前は何だっけ?――「徹」らしい)は10歳年下の子でもおそらく大丈夫だから、千歳さんは彼のところに相談にでも行けばいいのに。

年齢的なことをいえば、弘枝は20歳だから少なくとも4年制大学は出ていないはずで、予備校で働くなら大学受験を経験していたほうが有利ではないか、とも思うのだけれど、別に関係ないのか、採用基準。教室のあと片付けをしていたり漫画を没収していたり(何かテストの?)答案用紙を整理していたり、……雑用? 小学校の先生みたいな仕事内容かもしれない。それはそれとして、弘枝の精神年齢が高い(というよりやぼったい?)からそうは感じないかもしれないけれど、浪人生の裕二が19歳だから、実は1歳しか離れていないんだよね。年齢的には同じクラスの生徒や大学生を好きになったりするのと、それほど変わらないのかもしれない。

年齢だけではなくて、年数的にもあちこち無理があるような。東次がアルバイトをしていたいわゆる海の家で知り合って、真琴と付き合い始めたのが(お互いに)大学3年の夏。それから半年付き合っていたと言うのだから、再会した時点(新入社員で7月くらいの時点)ではまだ2年も経っていない。それくらいなら焼けぼっくいに火がつくのも、不思議ではないというか。一方、早川さんのほうは、付き合い始めてまだ1ヶ月くらいなのにやけに東次に固執しているというか、東次のどこが好くて付き合い始めたんだっけ?(えーと…、ちゃんと読み直さないとわからない)。でも、恋敵が現れてくると、いまどき(?)22、23歳くらいでも、付き合って1、2ヶ月の相手であれ、親代わりの伯父さんに紹介したくなっちゃうのか(うーん)。

話がぜんぜんまとまらないけれど、最後に柏葉裕二のプロフィール的なことをもう少し。両親と兄とで4人家族。家はクリーニング店を営んでいる。最寄りの駅は「代官山」なんだけど、需要はあるのかな? たぶん裕福ではない家で、しかもお父さんが近くで洗濯やらアイロンがけやらの大変な仕事(力仕事)をしているを見ているにもかかわらず、浪人してしまったのか、裕二くん。お兄ちゃんがやっと私立の大学を卒業して働き始めたと思ったら、弟は予備校通いの、アルバイトはあまりできないだろう浪人生。恋愛どころじゃない、勉強を頑張れやというか、来年もう1度落ちたらクリーニング屋を継ぐべきだな。←ちょっと父親目線。そう、お母さんが千葉の実家に帰ってしまって両親が離婚の危機を迎えるのだけれど、母親を説得に行くのはお兄ちゃんのほうだし、そもそも原因が浮気などではないせいか、『岸辺のアルバム』みたいに大変なことにはなっていない。
 

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