早川書房、1990/光文社文庫、2006。ふつうに面白かったです。ちょっと懐かしい感じがする。SFにかぎらず小さいころってぜんぜん本を読んでいなかったから、なんだろう、昔見ていたTVアニメとかかな(具体的な作品名を挙げられないけれど)、そのたぐいの記憶が喚起されるのかもしれない。とにかくちょっと懐かしい感じです。いま読んでも別に古くさくないと思うし、特に中学生くらいの人にお薦めかもしれない。

で、これもどれくらいのネタバレなら許されるのか…。例によって文庫のカバー(後ろ側)の紹介文を引用してしまったほうが早いか。

 <全宇宙のスーパー・ヒーローが終結した「超人サミット」会場が、爆弾テロに襲われた!/奇跡的に生き残ったのは、アルバイト青年の脳のみ。バラバラになった48超人のパーツがツギハギされ、ここに気弱な最強ヒーロー・怪傑ミイラ男が誕生した! 美少女天才科学者と共に、彼は日夜、宇宙の平和のために闘うのだった。読めば元気が湧く爆笑スペースオペラ!>

吹原和彦は、ズヴゥフル大学(の宇宙社会学部比較文明学科)の受験に失敗。木星の近くにあるらしい星、ズヴゥフルV(「ヤミナベ・ポリス」はそこの中心の、自由貿易都市の通称)に行くだけで両親の遺産を食いつぶしたらしく(「遺産」ということは両親は亡くなっているのか)、地球へ帰るための旅費がない(鉄砲玉というか無計画だな…)。そこで、ヤミナベ・ロイヤルホテルでボーイのアルバイトをしていたところ(あとのほうで「苦学生」という言葉が出てくるけれど、そんな感じ?)、悪の組織“希望なきパンドラ”による、超人たちの集まりを標的にした爆弾テロに巻き込まれてしまう。要するに、浪人生小説としては事件や事故に巻き込まれて、以降、大学受験なんて関係なくなっちゃう系の話である。宇宙の正義や平和が任されてしまうわけだから、それも仕方がないか。

どうでもいいけれど、大学受験に関しては、地方会場があれば(地球受験ができれば)よかったのにね。あるいはインターネットのようなもので、地球の家から受験できるとか。
 

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