落合恵子 「地球を蹴って遊ぶ」
2007年7月1日 読書連作短篇集『結婚以上』(中央公論社、1981/中公文庫、1985)所収の1篇。5篇中の4篇目。“マンション住人小説”といった感じで、各篇のタイトルの後ろには、例えば「ハンガーの花◇402号室」(1篇目)というように部屋番号が付いている。浪人生が主人公のこの1篇(「地球を〜」)は「702号室」。要するに、主人公というか視点人物の裕治くんは、最上階の702号室に住んでいるらしい。いちおう家族と一緒らしい。※以下、ネタバレ注意です。
これも、どんどこストーリーがあるような小説ではなくて。心理的な小説というか、繊細な感情の動きを読んでいくタイプの話かもしれない。秋祭りの日、平戸裕治は幼なじみ(小中高浪一緒)の青木圭子と2人で、同じく幼なじみ(同前)の天藤敬介を待っている。敬介がなかなか来ないその間に圭子と会話したり、圭子についてあれこれ思いを巡らせたりする。――とてもネタバレしてしまうけれど、結局、「○○小説かよ!」ってな感じです。単行本が出たのが……80年代の初め? しかたがないのかもしれないけれど。でも、圭子から打ち明けられた裕治くんは時期的に犯人(?)ではなく、裕治たちが溜まり場にしている喫茶店の店主、小川大輔という人がそうであるらしい。よくわからないけれど、結局、子どもと大人、あるいは子どもから大人へ、みたいな話なのかな。まだ到着していない敬介くんはわからないけれど、裕治くんもやっているわけだし、なんていうか、「セクス」が大人への入り口というわけでもない感じである。
本人ではなく、3人の中でいちばん成績がよいという圭子が大学(早稲田)に落ちた理由は、裕治によれば家庭が原因(の1つ?)のようだ。一昨年の暮れにお父さんが亡くなったり(cf.清水義範『バードケージ』)、その半年後にお母さんが再婚したり。冷静な感じではあるけれど、この圭子さんは来年大学にちゃんと受かるのかな、まだちょっと心配な感じ。受験まではあと5ヶ月らしい(そういえば作中の季節が秋だったね)。圭子の学部はわからないのだけれど、主人公というかの裕治が落ちたのは、早稲田の商学部らしい。ちなみに、3人は同じ商店会に入っている店の子ども――裕治の家が文房具屋、圭子が呉服屋、敬介が布団屋。あ、裕治の家は(よくわからないけれど)「等価交換方式」とやらで(お店とは別の?)土地をあけ渡してマンション1部屋を得たらしい。702号室――最上階でいちばんいい部屋なのかな?
それで、うーん…。浪人生小説としては、何か学べるところがあるかといえば、ほとんどないような。とりあえず、妊娠には気をつけよう?(違うか)。そう、関係ないけれど、(序章ともプロローグとも書かれていないけれど)冒頭に短いイントロがあって、マンションの1階というかエレベーターホールで、裕治(と思われる男の子)が丸めた予備校のテキストで自分の肩を叩いている、のだけれど、それはなに、カバンはどうしたの? むき出しのテキストを持って予備校ヘはいかないよね、ふつう。歩いて行ける距離にある圭子か敬介の家でわからない問題でも質問してきたのかな。
これも、どんどこストーリーがあるような小説ではなくて。心理的な小説というか、繊細な感情の動きを読んでいくタイプの話かもしれない。秋祭りの日、平戸裕治は幼なじみ(小中高浪一緒)の青木圭子と2人で、同じく幼なじみ(同前)の天藤敬介を待っている。敬介がなかなか来ないその間に圭子と会話したり、圭子についてあれこれ思いを巡らせたりする。――とてもネタバレしてしまうけれど、結局、「○○小説かよ!」ってな感じです。単行本が出たのが……80年代の初め? しかたがないのかもしれないけれど。でも、圭子から打ち明けられた裕治くんは時期的に犯人(?)ではなく、裕治たちが溜まり場にしている喫茶店の店主、小川大輔という人がそうであるらしい。よくわからないけれど、結局、子どもと大人、あるいは子どもから大人へ、みたいな話なのかな。まだ到着していない敬介くんはわからないけれど、裕治くんもやっているわけだし、なんていうか、「セクス」が大人への入り口というわけでもない感じである。
本人ではなく、3人の中でいちばん成績がよいという圭子が大学(早稲田)に落ちた理由は、裕治によれば家庭が原因(の1つ?)のようだ。一昨年の暮れにお父さんが亡くなったり(cf.清水義範『バードケージ』)、その半年後にお母さんが再婚したり。冷静な感じではあるけれど、この圭子さんは来年大学にちゃんと受かるのかな、まだちょっと心配な感じ。受験まではあと5ヶ月らしい(そういえば作中の季節が秋だったね)。圭子の学部はわからないのだけれど、主人公というかの裕治が落ちたのは、早稲田の商学部らしい。ちなみに、3人は同じ商店会に入っている店の子ども――裕治の家が文房具屋、圭子が呉服屋、敬介が布団屋。あ、裕治の家は(よくわからないけれど)「等価交換方式」とやらで(お店とは別の?)土地をあけ渡してマンション1部屋を得たらしい。702号室――最上階でいちばんいい部屋なのかな?
それで、うーん…。浪人生小説としては、何か学べるところがあるかといえば、ほとんどないような。とりあえず、妊娠には気をつけよう?(違うか)。そう、関係ないけれど、(序章ともプロローグとも書かれていないけれど)冒頭に短いイントロがあって、マンションの1階というかエレベーターホールで、裕治(と思われる男の子)が丸めた予備校のテキストで自分の肩を叩いている、のだけれど、それはなに、カバンはどうしたの? むき出しのテキストを持って予備校ヘはいかないよね、ふつう。歩いて行ける距離にある圭子か敬介の家でわからない問題でも質問してきたのかな。
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