矢口敦子 『家族の行方』
2007年7月28日 読書
東京創元社、1994/創元推理文庫、2002。※以下、ネタバレしている箇所もあるので、ご注意ください。
<知り合いの編集者から霊能者と誤解された結果、ある少年の失踪調査をその母親から依頼された女性推理作家の「私」。気は進まないものの、なかば息子の勇起に引きずられるようにして、慣れない探偵活動に着手するが……やがて彼女が直面した恐るべき真実とは? そして少年は今どこにいるのか? 安住の地を求めて彷徨う少年を通し、「家族」の意味を問い掛ける緊迫の心理ミステリ。>(文庫カバーより。)
1990年代前半の7月。いちおう2浪になるのかな、行方知れずの浪人生(高瀬明)を探す話。ここ最近、若い人が主人公の青春小説ばかり読んでいたので、たまにこうして(若く見えるらしいけれど)40歳くらいの女性というか母親というかが語り手になっている小説を読むと、けっこう新鮮に感じてしまう。ただ、その新鮮味も3分の1も読まないうちになくなって、またいつものような苦痛の読書に…。読み終わってみて結局、どういうストーリーだったのかを思い出してみても、別にたいしたこともなかった気がする。「心理ミステリ」であるなら、それもしかたがないのかもしれないけれど。そういえば、真ん中あたりなんて、農作業+BLだよ(あらびっくり)。
他人の息子を探す「私」(有村靖子)が同時に探さなくてはいけないのは、いつのころからか何を考えているのかわからなくなった自分の息子(勇起、大学院生)の心、であるらしい(なんかテキトーに安っぽくまとめてしまった(汗))。で、キーワードというかテーマというかは、タイトルにも付いているように「家族」なのかもしれないけれど、両親がそろっていて子どもがいて、みたいなふつう、理想的であると考えられるような家族(像)はでも、結局のところ、拒否されている感じ。
浪人生、明くんに関しては…、大学受験と絡む話ではそれほど面白いことも書かれていないような。英語が苦手、とかそういうことはどうでもいいし。でも、そう、探してほしいと依頼するのは母親(黒部美保子)のほうなのだけれど、明は、両親が離婚後、父親(高瀬英行)とマンションで2人暮らし。お父さんが息子に関心をあまり払っていないせいで、行方知れずになっても気づかれないまま。浪人生ってひきこもりになりやすいだけでなく、予備校に籍があるくらいでは、いなくなっちゃってもわかりにくいのか。上京して1人暮らしの人とかも同じように危ないよね(親は子どもに定期的に電話やメールをすべし?)。
<知り合いの編集者から霊能者と誤解された結果、ある少年の失踪調査をその母親から依頼された女性推理作家の「私」。気は進まないものの、なかば息子の勇起に引きずられるようにして、慣れない探偵活動に着手するが……やがて彼女が直面した恐るべき真実とは? そして少年は今どこにいるのか? 安住の地を求めて彷徨う少年を通し、「家族」の意味を問い掛ける緊迫の心理ミステリ。>(文庫カバーより。)
1990年代前半の7月。いちおう2浪になるのかな、行方知れずの浪人生(高瀬明)を探す話。ここ最近、若い人が主人公の青春小説ばかり読んでいたので、たまにこうして(若く見えるらしいけれど)40歳くらいの女性というか母親というかが語り手になっている小説を読むと、けっこう新鮮に感じてしまう。ただ、その新鮮味も3分の1も読まないうちになくなって、またいつものような苦痛の読書に…。読み終わってみて結局、どういうストーリーだったのかを思い出してみても、別にたいしたこともなかった気がする。「心理ミステリ」であるなら、それもしかたがないのかもしれないけれど。そういえば、真ん中あたりなんて、農作業+BLだよ(あらびっくり)。
他人の息子を探す「私」(有村靖子)が同時に探さなくてはいけないのは、いつのころからか何を考えているのかわからなくなった自分の息子(勇起、大学院生)の心、であるらしい(なんかテキトーに安っぽくまとめてしまった(汗))。で、キーワードというかテーマというかは、タイトルにも付いているように「家族」なのかもしれないけれど、両親がそろっていて子どもがいて、みたいなふつう、理想的であると考えられるような家族(像)はでも、結局のところ、拒否されている感じ。
浪人生、明くんに関しては…、大学受験と絡む話ではそれほど面白いことも書かれていないような。英語が苦手、とかそういうことはどうでもいいし。でも、そう、探してほしいと依頼するのは母親(黒部美保子)のほうなのだけれど、明は、両親が離婚後、父親(高瀬英行)とマンションで2人暮らし。お父さんが息子に関心をあまり払っていないせいで、行方知れずになっても気づかれないまま。浪人生ってひきこもりになりやすいだけでなく、予備校に籍があるくらいでは、いなくなっちゃってもわかりにくいのか。上京して1人暮らしの人とかも同じように危ないよね(親は子どもに定期的に電話やメールをすべし?)。
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