菜摘ひかる 「夢が見たいの」
2007年8月20日 読書
『依存姫』(主婦と生活社、2002)所収。4篇中の2篇目。予備校を半年で辞めてフリーターをしている女の子が、1人のホストにはまってどんどんお金が必要となり、風俗店でも働くようになるみたいな、ある意味ではダメになっていく過程が描かれた小説。話自体は、TVのドキュメンタリー番組とかによくありそうな感じ、かな。最後のほうはかなり痛々しい感じになっています。本のタイトルにある「依存」という言葉では、個人的にはずれてしまうようにも感じるけれど、どうなのかな。でも、まぁ「依存」といえば「依存」なのかもしれない。ホスト依存症?
あたたかくもあるけれど、ぬるい家や地元を出て、東京へやっては来たものの(予備校は「お茶の水にある予備校」とのこと)、やっぱり退屈。――なんていうか、「生きている実感」を求めている若者は、気をつけたほうがいいよね。この人(「あたし」=文香)の場合は、ホストクラブのホスト(慎吾)だったわけだけれど、お薬とか、怪しい宗教とか、犯罪にも絡むような怪しい活動団体(cf.以前取りあげた遠藤周作の小説がちらっとそうかな)とか、実感がすぐに得られるよ、みたいな、接近をしてくる人たちがたくさんいそうだから、ビッグシティ東京は。あと、友達(春菜)と一緒に上京しているのだけれど、女の子2人ってどうなのかな? 忍び寄るもろもろの危険(?)に対してお互いがストッパーになればいいんだけれど、この人たちはなんていうか、ゆるゆるで、その逆な感じです。
ところで、ホストクラブ……にかぎらないか、お金を使えば使っただけその場で喜ばれる、というのはわかりやすいやね。例えば、受験勉強で単語を覚えれば覚えただけ、それがすぐに結果に反映されるかといえば、そうではないし。次に受ける模擬テストの結果が微妙によくなったりはするかもしれないけれど、結局のところ、大学は受かるか落ちるかで、地味な勉強をしても、すぐには「これで大学合格に一歩近づいた!」みたいな実感は得にくいかと思う。そういえば、最近はあまり聞かなくなったような気もするけれど、ほめるのが大事、みたいな子育て論・教育論がいっときはやったよね、1人で勉強していても誰も誉めてくれないもんな。
逆に(?)このホストの慎吾くんはかなりの長期計画です、1年以上もかけて主人公を完全に、自分の許にお金を運ばせるだけの存在に変えている。こういう人はどういう死に方をするのか、気にはなるけれど、それは措いておいて。そう、文香さんのほうも、だまされているにしても、やればなんでもできる、というか、かなり頑張れる性格なのにもったいない。努力が自分のところにゆくゆくちゃんと還元されるような頑張り方をしたほうがいい、と言うのは簡単だけれどね(うーん)。「あたし」はその後、どうなったのかな。まだ20歳だっけ? ――慎吾が誰かに刺されて死ぬとか、推理小説的な展開をとりあえず、期待しておきたい。
あたたかくもあるけれど、ぬるい家や地元を出て、東京へやっては来たものの(予備校は「お茶の水にある予備校」とのこと)、やっぱり退屈。――なんていうか、「生きている実感」を求めている若者は、気をつけたほうがいいよね。この人(「あたし」=文香)の場合は、ホストクラブのホスト(慎吾)だったわけだけれど、お薬とか、怪しい宗教とか、犯罪にも絡むような怪しい活動団体(cf.以前取りあげた遠藤周作の小説がちらっとそうかな)とか、実感がすぐに得られるよ、みたいな、接近をしてくる人たちがたくさんいそうだから、ビッグシティ東京は。あと、友達(春菜)と一緒に上京しているのだけれど、女の子2人ってどうなのかな? 忍び寄るもろもろの危険(?)に対してお互いがストッパーになればいいんだけれど、この人たちはなんていうか、ゆるゆるで、その逆な感じです。
ところで、ホストクラブ……にかぎらないか、お金を使えば使っただけその場で喜ばれる、というのはわかりやすいやね。例えば、受験勉強で単語を覚えれば覚えただけ、それがすぐに結果に反映されるかといえば、そうではないし。次に受ける模擬テストの結果が微妙によくなったりはするかもしれないけれど、結局のところ、大学は受かるか落ちるかで、地味な勉強をしても、すぐには「これで大学合格に一歩近づいた!」みたいな実感は得にくいかと思う。そういえば、最近はあまり聞かなくなったような気もするけれど、ほめるのが大事、みたいな子育て論・教育論がいっときはやったよね、1人で勉強していても誰も誉めてくれないもんな。
逆に(?)このホストの慎吾くんはかなりの長期計画です、1年以上もかけて主人公を完全に、自分の許にお金を運ばせるだけの存在に変えている。こういう人はどういう死に方をするのか、気にはなるけれど、それは措いておいて。そう、文香さんのほうも、だまされているにしても、やればなんでもできる、というか、かなり頑張れる性格なのにもったいない。努力が自分のところにゆくゆくちゃんと還元されるような頑張り方をしたほうがいい、と言うのは簡単だけれどね(うーん)。「あたし」はその後、どうなったのかな。まだ20歳だっけ? ――慎吾が誰かに刺されて死ぬとか、推理小説的な展開をとりあえず、期待しておきたい。
コメント