綾辻行人 「夢魔の手」
2007年8月21日 読書※ミステリー(というよりオチのあるホラー?)なのだけれど、ちょっとネタをわってしまいたいので、読まれていない方は、以下、十分にご注意ください。
『フリークス』(カッパ・ノベルス、1996/光文社文庫、2000)に収録されている1篇(3篇中の1篇目)。手元にあるのは文庫本。「あとがき」や「解説」に「中編集」とあって、この「夢魔の手――三一三号室の患者――」も中篇小説らしいのだけれど、少なくともこの1篇に関しては、長さ的にはやっぱり短篇といった感じ。作者が中篇(中編)と言っているのだから、別に中篇でかまわないけれど。
で、綾辻行人、初めて読んだけれど、文章がとても読みやすい。1冊だけでは判断できないけれど、でも、世の中の作家が、全員これくらい読みやすい小説を書いてくれればいいのに、とか思ってしまったです。感想としては、やっぱり(?)最後のオチがいまいちかな。推理小説を読みなれていないので、よくわからないけれど、こんな最後なら、いわゆる“夢オチ”のほうがまだましであるような。途中の、タイトルにも関係している、7歳のときの日記で、誰が主人公(神崎忠)の首を絞めたのか、に関してのほうが意外性があったです。二重体児!(びっくりだ――というか、こんちくしょーな感じだ(涙))。
いまは梅雨入りしたくらいの時期、「僕」は「浪人生(しかも今年で三浪目)」(p.8)であると言っていて、本人がそう言っているのだから、別に「浪人生」ということでいいんじゃない? ――なんだか投げやり(汗)。基本的に「浪人生」は自称でかまわないと思う(「予備校生」のほうは、基本的には予備校に籍がないといけないと思うけれど)。小説は、「僕」が病院の精神病棟に入院している母親のお見舞いに来たらしいあたりから始まっている。最後まで読むと、いまがわざわざ梅雨入りの時期である必然性はあるのかないのか、よくわからない。事件があったらしい昨年の6月からずっと、日課の儀式は行なっているのだろうか。であれば、昨年の6月から主人公の頭の中では、現在は翌年の6月くらいになっているのだろうか。あるいは、1年くらい経って儀式が始まって、本当はいまはもっと時間が経過した後(数年後)なのだろうか。←私は何か変なことを言っています? でも、何が事実(としての要素、マテリアル)であるのか、確定しづらくないですか、この小説? そんなことを言ったらホラー小説の何割かはたいていそうかもしれないけれど。ただ、それなら、個人的にはいっさいが夢であった、みたいなめんどくさくないオチのほうがましである気がする。
『フリークス』(カッパ・ノベルス、1996/光文社文庫、2000)に収録されている1篇(3篇中の1篇目)。手元にあるのは文庫本。「あとがき」や「解説」に「中編集」とあって、この「夢魔の手――三一三号室の患者――」も中篇小説らしいのだけれど、少なくともこの1篇に関しては、長さ的にはやっぱり短篇といった感じ。作者が中篇(中編)と言っているのだから、別に中篇でかまわないけれど。
で、綾辻行人、初めて読んだけれど、文章がとても読みやすい。1冊だけでは判断できないけれど、でも、世の中の作家が、全員これくらい読みやすい小説を書いてくれればいいのに、とか思ってしまったです。感想としては、やっぱり(?)最後のオチがいまいちかな。推理小説を読みなれていないので、よくわからないけれど、こんな最後なら、いわゆる“夢オチ”のほうがまだましであるような。途中の、タイトルにも関係している、7歳のときの日記で、誰が主人公(神崎忠)の首を絞めたのか、に関してのほうが意外性があったです。二重体児!(びっくりだ――というか、こんちくしょーな感じだ(涙))。
いまは梅雨入りしたくらいの時期、「僕」は「浪人生(しかも今年で三浪目)」(p.8)であると言っていて、本人がそう言っているのだから、別に「浪人生」ということでいいんじゃない? ――なんだか投げやり(汗)。基本的に「浪人生」は自称でかまわないと思う(「予備校生」のほうは、基本的には予備校に籍がないといけないと思うけれど)。小説は、「僕」が病院の精神病棟に入院している母親のお見舞いに来たらしいあたりから始まっている。最後まで読むと、いまがわざわざ梅雨入りの時期である必然性はあるのかないのか、よくわからない。事件があったらしい昨年の6月からずっと、日課の儀式は行なっているのだろうか。であれば、昨年の6月から主人公の頭の中では、現在は翌年の6月くらいになっているのだろうか。あるいは、1年くらい経って儀式が始まって、本当はいまはもっと時間が経過した後(数年後)なのだろうか。←私は何か変なことを言っています? でも、何が事実(としての要素、マテリアル)であるのか、確定しづらくないですか、この小説? そんなことを言ったらホラー小説の何割かはたいていそうかもしれないけれど。ただ、それなら、個人的にはいっさいが夢であった、みたいなめんどくさくないオチのほうがましである気がする。
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