『てとろどときしん 大阪府警・捜査一課事件報告書』(講談社、1991/講談社文庫、2003)所収、6篇中の3篇目。舞台が大阪で会話が大阪弁な“ご夫婦小説”であるけれど、どぎつい、こてこてとした感じはなくて、こういう小説(短篇)ならけっこう好きかもしれない。「私」というか旦那さんは(喜んで?)振り回されている感じだけれど、ちょっといたずらっぽい奥さんは、なんていうか、チャーミングです。※以下、内容を少し書いてしまいますので、まだ読まれていない方は、ネタバレにはご注意ください。

大阪府警に勤める「私」(吉永誠一)は、奥さんのデコ(照子)が連れてきた酒井辰子――デコが手伝っている父親の塩干店が泉尾の公設市場にあって、辰子はその近くにある酒井材木店の奥さん――から予備校生の息子(酒井保彦)が巻き込まれた事故というか事件というかに関する相談を受ける、みたいなことから本筋の話が始まる。受験に関することで気になるところは、……ほとんどないかな(涙)。あ、保彦くんはふだんは夜のラジオ番組を聴いているようだ(「ミッドナイト・リクエスト」「オールナイト・オーサカ」)。受験生といえば、夜遅くまで起きていて深夜ラジオを聴いている、みたいなイメージ? なんとなく浪人生よりも現役受験生(高校生)のほうが聴いていそうな気もするけれど、でも、そういえば自分もけっこう聴いていたっけな、番組名が思い出せないけど。

あとのほうでわかるのだけれど、保彦くんは3浪(20歳)である、とのこと。OLのお姉さん(23歳)がいるのだけれど、長男なのだから、2浪してダメだった時点で、家を継ぐことを考えて材木店(従業員は10人近くいるらしい)で働き始めればよかったのにね。……他人事だと思っていいかげんなことを言ってはいけないか。そういえば、志望大学・学部はどこ? ――どこでもいいけれど、浪人生活も長引くとろくなことが起こらない?
 

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