集英社スーパーファンタジー文庫、1991。何冊(何巻)出ているのか知らないけれど、シリーズものの1冊目。※毎度ご迷惑をおかけしております、以下ネタバレにはご注意ください。例によって期待せずに読み始めたのだけれど、けっこう面白かったです。最後のほうまで飽きずに読めました。スピード感がある気がするし、(その理由とも関係するかもしれないけれど)場面転換みたいなものもうまいなと思ったです。でも、内容は男の子向けな感じかな、女の子が読んで面白いと思うかどうかはわからない。あと、個人的にグロいというか、スプラッターな場面が苦手なので、人の首とか腕とかがもがれたりとか、血の海とか、そういうのはちょっとダメです。挿し絵(イラスト)が入っていても、それを無視して、頭の中で実写で想像していることが多い、のがいけないのかもしれないけれど。

 <時は現代の20世紀末、日本では謎のバラバラ殺人事件が続発していた。人々を震えあがらせたこの残虐かつ異常な事件は、実は地球の侵略をもくろむ、魔界の異形の一族『デーヴァ』のしわざだった。彼らに立ち向かうべく、神より地上に使わされた『サファイ』の一員、香山美奈子と、彼女の手足となって働く三人の『星の者』たち、八神和生、ニャン、天坊が今ここに結束し、『デーヴァ』との、血で血を洗う凄絶な戦いが、始まろうとしている。>(表紙の後ろより。)

おおざっぱに言えば、時代を超えた光サイドと闇サイドの闘い、みたいな感じ? 1視点小説(1元小説)ではないけれど、主人公と言ってもいい和生(かずお)は、もちろん光=善人サイドであるわけだけれど、なんていうか、この小説もかなりひっぱるよねー、“闘士”として“覚醒”するまでに(前世の記憶?を思い出すまでに)だいぶ読まないとあかんです(涙)。そう、タイトルをもうちょっとひねってくれたらよかったのに。って、そういう問題でもないか(ま、時間がかかるのは、スーパーサイヤ人@『ドラゴンボール』でもそうだから)。関係ないけれど、名前といえば、和生が一緒に闘ったりすることになる、ニャンと天坊(てんぼう)――香港出身で武術系のリ・ニャンリー(梨若玲、17歳)と坊主頭で呪文を唱える系の三命院天坊(12歳)――というのは、ちょっとアレを思い出すな、ヤン坊・マー坊。……似ていないですかそうですか(汗)。

浪人生の和生くん(19歳)が通っているのが、御茶ノ水の「大手S予備校」とのこと。でも、たぶん実在している某予備校(S台)とは異なっていると思う。本部校舎が10階建てのビルで、地下には食堂があるらしい。←S台の3号館(だっけ?)とはだいぶ違っているんじゃないですか、S台生の方? あ、でも、いまのS台生に聞いてもわからないかもしれない、199X年(20世紀末)10月の話なので。そう、御茶ノ水のあのへんにはゲームセンターってある(あった)の? 浪人生小説のお約束だけれど、和生はお昼を食べたあと、悪友の2人(吉村・佐竹)と午後の授業をさぼっている。

あと、受験がらみのことでは、和生くんは、模擬試験、模擬試験、と騒いでいる(?)。浪人生にとっての模試の重要性というのは、ふつうどれくらい? 10月の時点でまだ志望大学が決まっていないのか、この人は。模試を目標に勉強するのではなく、大学(特定の大学)合格を目指して勉強したほうが、モチベーションとしてはいいのではないか、と個人的には思うけれど。でも、非日常的なことが起こっても、まだ模擬試験には行こうとしていたり、浪人生としては偉い(?)ほうかもしれない。最後まだ(ネタバレしてしまうかな)当日の明け方、行こうと思えば時間的にも間に合うし。そう、自分の通う予備校で模試の申し込みをしているのだけれど、予備校主催の模試であれば、ふつう授業の年間カリキュラム(というか)に組み込まれているのではないか、と思うのだけれど、どうなのかな(小さい予備校ならわからないけれど、「大手」であるし)。そういえば、物語(ストーリー)に関係がないのだからしかたがないかもしれないけれど、前年度に受験した大学・学部とか、受験に失敗した理由とかについても、ぜんぜん書かれていないな。予備校の所属コース・クラスとか、理系なのか文系なのかについても。

家(マンションの1階らしい)は、どこにあるのかわかりそうでわからないな。両親と祖母が亡くなっていて、唯一の家族であるおじいちゃん(八神オブライエン、アメリカ生まれの日系二世)が入院しているので、1人暮らしになっている。予備校帰りはいつも直接、祖父の病院(F医科大付属病院)に行くらしい(御茶ノ水の駅から地下鉄丸ノ内線で、池袋で乗り換えて……結局どこ?)。そう、浪人生の定番アイテム(?)バイクというか、原付(スクーター)にも乗っている。

で、まじめに勉強している浪人生におすすめできる小説か? といえば、うーん…、できないかな、やっぱり。小説としては面白くても、それだけではちょっと…。和生(と友達2人)の翌年の合否については、2巻目以降を読めばわかるのかもしれない(けれど、まだ読んでいないです)。でも、よくわからないけれど、“覚醒”してしまったのでは、大学受験どころじゃないよね…、大学に行く意味もなくなってしまうし。
 

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