色がモチーフ(?)になっている短篇集『色彩の息子』(新潮社、1991/新潮文庫、1994)に収録されている1篇(12篇中の2篇目、12色のうちの赤)。既視感があるというか、似たような内容・似たような文体で、もっとうまく書かれた小説を読んだことがあるような…。“1人称語りかけてくる文体”は、だんだんと語り手の頭のおかしさみたいなものが露呈してくる、みたいなパターンが多い気がするけれど、この小説もそんな感じかもしれない。ちょっとホラー小説っぽくて、自分は(何度も書いている気がするけれど)女性作家によるホラー小説のたぐいがあまり好きではない、みたいなことが再確認できたです。

予備校にも通っているらしい浪人生の「ぼく」(国雄)は、2年前(1年前?)にやってきた「あの人」=新しい母親の“声”にのしかかられている。――なんのこっちゃだな(汗)。受験勉強がはかどらなくて、とかではなくて、<ああ、何もかもが嫌だ。>(p.41、文庫)というのは、虚無感とは違うかもしれないけれど、意外とあの小説――なんだっけな…、おじいちゃん状態だな(涙)、あ、あれか、→集団自殺が描かれた吉村昭「星への旅」、にちょっと似ているのかな(似ていないか)。ちなみに、家族はほかに、父親はもちろん、あと妹がいる。
 

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