?〜?、2002、幻冬舎文庫。1冊ずつはけっこう薄め(3冊目はほか2冊よりちょっと厚め)なのだけれど、読んでいていっこうに気分が乗らなくて(というより面白くなくて)読み終わるのにだいぶ時間がかかってしまったよ(涙)。でも、まぁ、タイトルからしてテンションが低くなるのはしかたがないのか。あと(文句ばっかりになってしまうけれど)こういうふうに本が分冊・複数巻になっていると、漫画ほどではないにしてもそろえるのが大変、しかも、古本屋で買うにしても余計にお金がかかってしまって…(涙)。読んでつまらないと、疲れも倍増です。

 <音大受験に失敗して生きる意味を見失った音海は、妻子ある男との恋に逃げ道を求めていた。暴力を振るう父、従順な母、死んでしまった兄……家族は誰も助けてくれない。ある日、男との逢瀬から戻った音海は兄の仏壇に供えられた花に気付く。その花には、兄の死と家族に関する秘密が隠されていた。全三話。書き下ろし隔月刊行シリーズ第一話。>(?の表紙カバーより。)

父親が自宅で開いている空手道場に通うこの「妻子ある男」(はじめさん、筒井はじめ)は、どうして主人公と付き合っているのか、が結局のところよくわからん。週1回、近くのラ○ホテルに行って帰ってくるだけ、って、それはあなた(?)やっぱりこのご時世、体だけが目当てなのではなかろうか、とか心配してしまう。というか、お兄さんと友達だったらしいこの人、あとあとお兄さんが亡くなった理由とからんでくるのかと思ったら、最後まで読んでもぜんぜん関係なかったよな、そういえば。どうでもいいことだけど、スタントをしていたお兄ちゃんが亡くなったときセーラー服を着ていた、って、ちょっとあれを思い出すな、亡くなった彼女の制服を着た男の子が出てくる吉本ばなな(よしもとばなな)の「ムーンライト・シャドウ」(『キッチン』)。それはともかく、結局のところ、推理小説っぽい(ミステリー的な)部分、すなわち死の真相というか、お兄さんが亡くなったときの交友関係みたいなものがはっきりしてきても、個人的には、いまいち「だからどうした?」みたいな気分に…。最後のへん、むりやり主人公の成長に結び付けている? これでほんとうに成長した、と言えるだろうかよくわからない。

宣伝文句のなかでは「音大受験に失敗して」とか書かれているけれど、受験する前に手を骨折、要するに音海さん(柳川音海)は試験じたいを受けていない。入試本番の前に手を怪我をしてしまう、というのは、漫画とかでよくありそうな、ドタバタにつながる定番という感じだけれど(小説でもあったような気がするけれど、具体的に何が、とか思い出せない(涙))、ふつうの大学ならともかく、受験大学が音大であると(主人公の楽器はピアノ)片手を怪我しただけで、もうアウトになってしまうんだね…。というか、疑問に思うに実技試験だけなの? 来年また受験する気があるなら(最後のほうでそんな方向の宣言をしているけれど)手が使えなくても、とりあえず筆記試験の勉強をしたり、技術向上のための本を読んだりしていればいいのにね。ま、他人事だからどうでもいいけどさ。
 

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