久間十義 『海で三番目につよいもの』
2008年7月6日 読書新潮社、1993(図書館本)。1年半くらい前に1度読んで、今回再読。なんていうか、中途半端な“文学”作品という感じがするかな。連続企業爆破事件(反日武装戦線)、在日朝鮮人(北朝鮮)、沖縄の米兵(ベトナム戦争)……、主人公が直接それらにぶちあたっている(いく)わけではなく、背景としてあるいは間接的に関わっている感じ。全体的に“青春小説”になっているっぽいから、その点は個人的にはいいと思うけれど。そういえば、最初のへんは、けっこう面白く読んでいたような気がする、けれど、最後のほうになると「だから何?」みたいな例の禁断の(?)問いが頭にちらついていたような。
1975年(20年近く前のこと)、上京して予備校に通う「ぼく」(洋一、18歳)は、青い目に栗色の髪をした小学生ミッキー(与那嶺美樹夫)と、「ぼく」と同じ歳で専門学校生(というよりフリーター?)の茉莉と出会って、デパートで集団万引きを始めたりする。「ぼく」が茉莉と付き合い始めたり、ミッキーのお母さん(ひろ子、源氏名はカンナ)が出てきたりして、3人(「ぼく」、ミッキー、茉莉)の関係はじょじょに変化していく。――そう、ミッキーの母親が勤める六本木のクラブの名前が『新世界』。そういうところも微妙にお文学? 「ぼく」は夏に2週間、そのクラブの呼び物であるショーの照明係のアルバイトをしている。あと登場人物としては、人物は(回想でしか)出てこないけれど、1つ歳が上の幼なじみで、在日である金世光(キム・セグァン)が手紙を送ってきたりする。――小説のテーマみたいなものの1つは、虚/実、といったことかな。「架空」とか「生身」という言葉も使われていたっけ。うーん…、であっても、小説としてどうなのかな? よくわからんです。誰かこの小説について解説して欲しいや(ああ他力本願…)。
この小説では、18歳、という年齢が意外とキーワード(キー年齢?)かな。「ぼく」と茉莉が18歳、沖縄で(ネタバレしてしまうけれど、アメリカ兵たちに輪姦されてできた)ミッキーをカンナさんが生んだのが18歳。大学生の金世光は「ぼく」より1つ年上だから、たぶん19歳――でも、神経(精神?)を病んでしまった、みたいなことを手紙で言っている。なんていうか(あいかわらずのボキャ貧だけれど)18歳が全員のターニング・ポイントになっている感じ?
あと、細かいところだけれど、最初のへん、まともな(?)予備校生であれば、三角関数→三角形、みたい連想って、あまり働かないと思うのだけれど、どう? 三角関数から連想されるものといえば、単位円とか複雑な公式とか?(わからないけれど)。いずれにしても、たいていの“受験生小説”は、そういう受験生を演出している箇所で、かえってつまづいているというか、読者は幻滅させられてしまう(現実に引き戻されてしまう)ことが多いような。
そういえば、「ぼく」はどこから上京したんだっけ?(ちゃんと読み直さないとわからないな(涙))。アパートは雑司が谷にある六畳1間で、トイレ・台所あり(風呂なし)らしい。予備校へは手なずけた(?)地下鉄を利用して。で、結局、この人は大学には受かったのかな? 模擬試験の結果がよくなかったりもしているけれど、ま、けっこう勉強はしていたし、ふつうに合格できたかもしれないな(テキトーな推測(汗))。
1975年(20年近く前のこと)、上京して予備校に通う「ぼく」(洋一、18歳)は、青い目に栗色の髪をした小学生ミッキー(与那嶺美樹夫)と、「ぼく」と同じ歳で専門学校生(というよりフリーター?)の茉莉と出会って、デパートで集団万引きを始めたりする。「ぼく」が茉莉と付き合い始めたり、ミッキーのお母さん(ひろ子、源氏名はカンナ)が出てきたりして、3人(「ぼく」、ミッキー、茉莉)の関係はじょじょに変化していく。――そう、ミッキーの母親が勤める六本木のクラブの名前が『新世界』。そういうところも微妙にお文学? 「ぼく」は夏に2週間、そのクラブの呼び物であるショーの照明係のアルバイトをしている。あと登場人物としては、人物は(回想でしか)出てこないけれど、1つ歳が上の幼なじみで、在日である金世光(キム・セグァン)が手紙を送ってきたりする。――小説のテーマみたいなものの1つは、虚/実、といったことかな。「架空」とか「生身」という言葉も使われていたっけ。うーん…、であっても、小説としてどうなのかな? よくわからんです。誰かこの小説について解説して欲しいや(ああ他力本願…)。
この小説では、18歳、という年齢が意外とキーワード(キー年齢?)かな。「ぼく」と茉莉が18歳、沖縄で(ネタバレしてしまうけれど、アメリカ兵たちに輪姦されてできた)ミッキーをカンナさんが生んだのが18歳。大学生の金世光は「ぼく」より1つ年上だから、たぶん19歳――でも、神経(精神?)を病んでしまった、みたいなことを手紙で言っている。なんていうか(あいかわらずのボキャ貧だけれど)18歳が全員のターニング・ポイントになっている感じ?
あと、細かいところだけれど、最初のへん、まともな(?)予備校生であれば、三角関数→三角形、みたい連想って、あまり働かないと思うのだけれど、どう? 三角関数から連想されるものといえば、単位円とか複雑な公式とか?(わからないけれど)。いずれにしても、たいていの“受験生小説”は、そういう受験生を演出している箇所で、かえってつまづいているというか、読者は幻滅させられてしまう(現実に引き戻されてしまう)ことが多いような。
そういえば、「ぼく」はどこから上京したんだっけ?(ちゃんと読み直さないとわからないな(涙))。アパートは雑司が谷にある六畳1間で、トイレ・台所あり(風呂なし)らしい。予備校へは手なずけた(?)地下鉄を利用して。で、結局、この人は大学には受かったのかな? 模擬試験の結果がよくなかったりもしているけれど、ま、けっこう勉強はしていたし、ふつうに合格できたかもしれないな(テキトーな推測(汗))。
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