志賀貢 「処女売ります」
2008年7月6日 読書
官○小説ではないのにエ○な検索にかかってしまいそうな予感が…。まぁどうでもいいか(最近なげやりぎみです(汗))。シリーズものの1作目『女医彩子の事件カルテ』(光文社文庫、1990)に収録されている5話のうちの「第一話」。なんていうか、18、19の娘2人が危なっかしい感じがするのだけれど、意外と年ごろの娘をもつおっさんが安心して読めるような小説になっているかもしれない。
桃子(18歳・3月生まれ)は1年浪人して(予備校に通って)、父親が薦める政治学部(私大)と自分が行きたかった芸術学部の両方に受かるのだけれど、絵を道楽(趣味)と考える父親には芸術学部のほうに行きたいとは言い出せず(言い出しても聞き入れてもらえそうになく)、経済学部のほうには父親がすでにお金を払ってしまっているし、芸術学部のほうは手続きの期限が迫っているけれど、アルバイトをして貯めたお金ではだいぶ足りない……ので、どうするかといえば、要するに女の子ならではの(?)体でどうにかみたいな話。高校を卒業して働きながら夜は赤坂でホステスのアルバイトをしている親友の紅子(19歳)の勧めで、彼女のお客であるおじさんに処○と引き換えにお金を借りる、みたいな計画。場所はなぜか(?)箱根のホテル。
なんていうか、小説としても微妙であるし(作者が医者で、専業小説家ではないからしかたがないかもしれないけれど)、常識的にちょっと変だなと感じる箇所も少なくない(書かれた時代のせいもあるかもしれないけれど)。後者については例えば、
<この二月に、父のすすめる政治学部を受験、そして合格。/父は、まるで自分が合格でもしたようにはじゃぎ、高いブランデーをふんぱつして祝ってくれたが、桃子の[芸術学部で勉強したいという]意志は変わらなかった。>(p.21、[括弧]は引用者補足。)
大学に合格してブランデーをごちそうしてくれても(いちおう未成年でもあるし)あまりうれしくない気が…。というか、それはお父さんが自分で飲むの?(ちょっと変じゃない? 私が変な方向に考えているだけかな)。受験にも関係する箇所では、例えば、
<[過去の話→アルバイトは]模擬試験があると、予習で休まなければならない。>(p.24、[括弧]は同上)
ほかの小説でも似たことが書かれていそうだけれど(なので、あげあしとりかもしれないけれど)、「模擬試験」の「予習」をするってちょっと変じゃない?(というか、誰に訴えているのやら(汗))。予習できないのが模擬テストというものでは?
芸術学部――私立か国公立か書かれていなかったと思うけれど――は昨今の「受験難」もあって、倍率が三十数倍らしい。でも、一次の学科試験で6倍に絞られるらしい。たいていの人は門前払いをされてしまう感じか。私はぜんぜん知らないのだけれど、ふつうの(フィクションではない)美大や音大はどうなのかな? 実技試験よりも筆記試験のほうが倍率的にたいへん?(わからん)。お金は、いま大学に入るのにさしあたってどれくらいかかるの? 美大とか音大のほうがたくさんとられるのかな? この人(というかこの小説)の場合、入学金(+1年分の授業料?)で130万円もかかるらしい。
最後は、もちろんシリーズ・キャラクターの彩子先生も登場してきて、ハッピー・エンディングな感じになっている(なんていうか、昔のコメディTVドラマなんかでありそうなオチかな、小説でもありそうだけれど)。桃子は油絵の勉強という夢(油絵を勉強したいという目的)をちゃんともっていて、そのへんに強みがあったというか。夢も目的もない人は親の言うがままになってしまう…のかな。あ、書き忘れていたけれど、桃子は大学には受かっているし、1つの大学にはお金も納めているし、浪人生でないといえば浪人生ではないかもしれない。ただ、家に帰るまでが遠足、ではないけれど(?)、自分の入りたい大学(第1志望でなくても)にちゃんと入れるまでが浪人生、と考えればいちおう浪人生ということになるかもしれない(むりやりだな(汗))。“受験生小説”としての読みどころとしては、そのままだけれど、やっぱり娘と父の衝突(というか)だろうね。
桃子(18歳・3月生まれ)は1年浪人して(予備校に通って)、父親が薦める政治学部(私大)と自分が行きたかった芸術学部の両方に受かるのだけれど、絵を道楽(趣味)と考える父親には芸術学部のほうに行きたいとは言い出せず(言い出しても聞き入れてもらえそうになく)、経済学部のほうには父親がすでにお金を払ってしまっているし、芸術学部のほうは手続きの期限が迫っているけれど、アルバイトをして貯めたお金ではだいぶ足りない……ので、どうするかといえば、要するに女の子ならではの(?)体でどうにかみたいな話。高校を卒業して働きながら夜は赤坂でホステスのアルバイトをしている親友の紅子(19歳)の勧めで、彼女のお客であるおじさんに処○と引き換えにお金を借りる、みたいな計画。場所はなぜか(?)箱根のホテル。
なんていうか、小説としても微妙であるし(作者が医者で、専業小説家ではないからしかたがないかもしれないけれど)、常識的にちょっと変だなと感じる箇所も少なくない(書かれた時代のせいもあるかもしれないけれど)。後者については例えば、
<この二月に、父のすすめる政治学部を受験、そして合格。/父は、まるで自分が合格でもしたようにはじゃぎ、高いブランデーをふんぱつして祝ってくれたが、桃子の[芸術学部で勉強したいという]意志は変わらなかった。>(p.21、[括弧]は引用者補足。)
大学に合格してブランデーをごちそうしてくれても(いちおう未成年でもあるし)あまりうれしくない気が…。というか、それはお父さんが自分で飲むの?(ちょっと変じゃない? 私が変な方向に考えているだけかな)。受験にも関係する箇所では、例えば、
<[過去の話→アルバイトは]模擬試験があると、予習で休まなければならない。>(p.24、[括弧]は同上)
ほかの小説でも似たことが書かれていそうだけれど(なので、あげあしとりかもしれないけれど)、「模擬試験」の「予習」をするってちょっと変じゃない?(というか、誰に訴えているのやら(汗))。予習できないのが模擬テストというものでは?
芸術学部――私立か国公立か書かれていなかったと思うけれど――は昨今の「受験難」もあって、倍率が三十数倍らしい。でも、一次の学科試験で6倍に絞られるらしい。たいていの人は門前払いをされてしまう感じか。私はぜんぜん知らないのだけれど、ふつうの(フィクションではない)美大や音大はどうなのかな? 実技試験よりも筆記試験のほうが倍率的にたいへん?(わからん)。お金は、いま大学に入るのにさしあたってどれくらいかかるの? 美大とか音大のほうがたくさんとられるのかな? この人(というかこの小説)の場合、入学金(+1年分の授業料?)で130万円もかかるらしい。
最後は、もちろんシリーズ・キャラクターの彩子先生も登場してきて、ハッピー・エンディングな感じになっている(なんていうか、昔のコメディTVドラマなんかでありそうなオチかな、小説でもありそうだけれど)。桃子は油絵の勉強という夢(油絵を勉強したいという目的)をちゃんともっていて、そのへんに強みがあったというか。夢も目的もない人は親の言うがままになってしまう…のかな。あ、書き忘れていたけれど、桃子は大学には受かっているし、1つの大学にはお金も納めているし、浪人生でないといえば浪人生ではないかもしれない。ただ、家に帰るまでが遠足、ではないけれど(?)、自分の入りたい大学(第1志望でなくても)にちゃんと入れるまでが浪人生、と考えればいちおう浪人生ということになるかもしれない(むりやりだな(汗))。“受験生小説”としての読みどころとしては、そのままだけれど、やっぱり娘と父の衝突(というか)だろうね。
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