樋口有介 『風少女』
2008年11月16日 読書
文藝春秋、1990/文春文庫、1993/創元推理文庫、2007。関東は左上の県、県庁所在地が舞台になっている小説。去年(2007年)創元推理文庫版を購入して(表紙の写真はJRのR線?)そのままずっといわゆる“積ん読”状態だったのだけれど、この前……といっても、もう1ヶ月以上も前のことかな、朝日新聞の地方面に「郷土ゆかりのほん」と題された現在も続いている不定期連載コラムがあって(けっこう見逃してしまうので、毎回読んでいるわけではないけれど)そこで南木佳士の『ダイヤモンドダスト』がとりあげられた次の回(たぶん)にとりあげられていたのが、この小説本。で、なんとなく読むように促された感じがしたので、今回読んだ次第です(←どうでもいい話やな、というか、読むまでに1ヶ月以上も経っている(汗))。私はM市民ではないけれど、なんていうかいちおうの生活圏なので、やっぱりどうしても“地元萌え”みたいなことが多くて。そういう意味では冷静には読んでいなかったというか、ふつうではない読み方をしていたかもしれないです。
内容は、推理小説などでけっこうよくある“元同級生たちはどうしているかな?小説”というか、文章軽めでミステリー度の低い青春(やり直し?)ミステリーみたいな感じ。語り手兼主人公の「ぼく」(斎木亮)は21歳の大学生で、まだけっこう若いけれど。季節は空っ風な2月で、出てくるたいていの同級生たちとは、約6年ぶりに会う形になっている。※以下、ネタバレ注意です(毎度すみません)。
<父危篤の報を受けて帰郷した斎木亮は、中学時代に好意を寄せいていた川村麗子の妹・千里と偶然に出会う。そこで初めて知った、麗子の死。事故死という警察の判断に納得のいかない二人が、同級生を訪ね、独自の調査をはじめると……。(略)>(カバーの後ろのところより)
家に着くとお父さんはすでに亡くなっていて、「ぼく」(斎木亮)は初七日までは実家に滞在することに。どうでもいいことだけれど、途中までは1日で1章(1章が1日)になっているっぽい(「章」という言葉はなくて数字のみだけれど)。いつも書いているようなことも書いておけば――、浪人生は出てこない小説なのだけれど、元不良である「ぼく」は、高校受験と大学受験には1度ずつ失敗しているらしい(高校はM市の隣I市の高校、大学は東京・渋谷にある三流の大学とのこと)。元同級生の1人、中学校では学級委員の1人だったという氏家孝一は、東大受験に3度失敗しているらしく、いまは、受験を諦めて繁華街の外れH川沿いでスナック『青猫』を開いている。――出てくる元同級生はどれくらいいたんだっけな…。書き出してしまうか。
斎木亮(「ぼく」): 高校浪人1年→I市の高校→浪人1年→東京・渋谷の三流大学
川村麗子: M女学園(=M女)→東京の短大→会計事務所
氏家孝一: 高校(どこ?)→東大浪人2年→スナック『青猫』
竹内常司: 高校(どこ?)→東京の大学(立教の英文科)
桑原智世: M女→新M病院(看護婦)
野代亜矢子: 市女(=M市立女子高校?)→M市の隣T市の大学(上越女子大の家政科)
亀橋和也: M市の工業高校→家の自動車修理工場(『亀橋自動車』)
田中由美子: 市女→家のスーパー
会話のなかで名前だけ出てくる人たち(意外と多い)を除けば、こんなものか。結局、ほとんど、容疑者候補の4人(氏家、竹内、桑原、野代)くらいだな。…あれ、看護婦さんって高校卒業してすぐになれるんだっけ?(高校にもよるか)。あと、氏家くんと同棲しているその桑原さんが、
<「(略)氏家くんはあんなこと[=東大に3度落ちたこと(引用者注)]で終わる人じゃないの。わたしとしては群大の医学部へ行って、お医者になってもらいたいの。(略)>(p.164)
と言っているけれど(あとで反対の意味のことも言っているけれど)、その医学部には合格に暗黙の年齢制限があって(訴えられていたよね)、来年受けるとしても4浪になってしまうから、点数がとれても受からないかもしれない。というか、作中年はいつくらい? 単行本が出ているのは……1990年か。それくらいなのかな。あ、あれ、氏家くんは文系ではなくて理系だったのか。
そう、高校ではなくて中学校の同級生だから、同じ市内でも、みんな家がわりと近くなっちゃうはずなのだけれど、うまくちらばされている感じ。亀橋(自動車)は引っ越しているし、麗子は(亡くなっているけれど)アパート、氏家&桑原は桑原さんのアパート…。亮の家族(母、姉、妹)は同じところに住んでいるのだけれど、それ以外の(家族・同級生以外の)登場人物もけっこう離れているか。新しい家を建てたという県警に勤める誠三叔父さん(片桐誠三)、市外だけれど、『青猫』でアルバイトをしている専門学校生の安部清美、電話でのみの主演(?)麗子の短大のときの友達、水谷小夜子…。亮の実家の周辺に集中しているようで集中していない(というのがよくわかるのも、地元だからだな(汗))。
内容は、推理小説などでけっこうよくある“元同級生たちはどうしているかな?小説”というか、文章軽めでミステリー度の低い青春(やり直し?)ミステリーみたいな感じ。語り手兼主人公の「ぼく」(斎木亮)は21歳の大学生で、まだけっこう若いけれど。季節は空っ風な2月で、出てくるたいていの同級生たちとは、約6年ぶりに会う形になっている。※以下、ネタバレ注意です(毎度すみません)。
<父危篤の報を受けて帰郷した斎木亮は、中学時代に好意を寄せいていた川村麗子の妹・千里と偶然に出会う。そこで初めて知った、麗子の死。事故死という警察の判断に納得のいかない二人が、同級生を訪ね、独自の調査をはじめると……。(略)>(カバーの後ろのところより)
家に着くとお父さんはすでに亡くなっていて、「ぼく」(斎木亮)は初七日までは実家に滞在することに。どうでもいいことだけれど、途中までは1日で1章(1章が1日)になっているっぽい(「章」という言葉はなくて数字のみだけれど)。いつも書いているようなことも書いておけば――、浪人生は出てこない小説なのだけれど、元不良である「ぼく」は、高校受験と大学受験には1度ずつ失敗しているらしい(高校はM市の隣I市の高校、大学は東京・渋谷にある三流の大学とのこと)。元同級生の1人、中学校では学級委員の1人だったという氏家孝一は、東大受験に3度失敗しているらしく、いまは、受験を諦めて繁華街の外れH川沿いでスナック『青猫』を開いている。――出てくる元同級生はどれくらいいたんだっけな…。書き出してしまうか。
斎木亮(「ぼく」): 高校浪人1年→I市の高校→浪人1年→東京・渋谷の三流大学
川村麗子: M女学園(=M女)→東京の短大→会計事務所
氏家孝一: 高校(どこ?)→東大浪人2年→スナック『青猫』
竹内常司: 高校(どこ?)→東京の大学(立教の英文科)
桑原智世: M女→新M病院(看護婦)
野代亜矢子: 市女(=M市立女子高校?)→M市の隣T市の大学(上越女子大の家政科)
亀橋和也: M市の工業高校→家の自動車修理工場(『亀橋自動車』)
田中由美子: 市女→家のスーパー
会話のなかで名前だけ出てくる人たち(意外と多い)を除けば、こんなものか。結局、ほとんど、容疑者候補の4人(氏家、竹内、桑原、野代)くらいだな。…あれ、看護婦さんって高校卒業してすぐになれるんだっけ?(高校にもよるか)。あと、氏家くんと同棲しているその桑原さんが、
<「(略)氏家くんはあんなこと[=東大に3度落ちたこと(引用者注)]で終わる人じゃないの。わたしとしては群大の医学部へ行って、お医者になってもらいたいの。(略)>(p.164)
と言っているけれど(あとで反対の意味のことも言っているけれど)、その医学部には合格に暗黙の年齢制限があって(訴えられていたよね)、来年受けるとしても4浪になってしまうから、点数がとれても受からないかもしれない。というか、作中年はいつくらい? 単行本が出ているのは……1990年か。それくらいなのかな。あ、あれ、氏家くんは文系ではなくて理系だったのか。
そう、高校ではなくて中学校の同級生だから、同じ市内でも、みんな家がわりと近くなっちゃうはずなのだけれど、うまくちらばされている感じ。亀橋(自動車)は引っ越しているし、麗子は(亡くなっているけれど)アパート、氏家&桑原は桑原さんのアパート…。亮の家族(母、姉、妹)は同じところに住んでいるのだけれど、それ以外の(家族・同級生以外の)登場人物もけっこう離れているか。新しい家を建てたという県警に勤める誠三叔父さん(片桐誠三)、市外だけれど、『青猫』でアルバイトをしている専門学校生の安部清美、電話でのみの主演(?)麗子の短大のときの友達、水谷小夜子…。亮の実家の周辺に集中しているようで集中していない(というのがよくわかるのも、地元だからだな(汗))。
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