高橋たか子 『天の湖』
2008年11月17日 読書
新潮社、1977。図書館から借りてきた本([追記]文庫も出ているみたい。→新潮文庫、1984)。面白い面白くない以前に、この本も何を言っているのかが頭になかなか入ってこなくて(それほど読みにくい小説ではないけれど)、しかたがないからだいぶ飛ばし読みをしてしまったです。文学作品というか純文学系の小説(たぶん)なので、表面的な話の流れだけを追ってもあまり意味がないかもしれないけれど。
章ごとに視点が変わる形式で書かれていて、全7章。奇数章の視点人物は、大学生の関勲平(23歳)。東大(文科三類)の受験に2回失敗して、3回目は2つ下の弟が東大(文科一類)を受験するので自分は諦めて、早稲田1本に絞ったらしい。現在はその早稲田大学の3年生(最初2月から始まっていてすぐに4年生になるけれど)。一方、偶数章の視点は、勲平の弟(東大生の環)をヌー○モデルとしている女流画家・山岡唯子(42歳)が担当。
勲平お兄ちゃん、他人とのコミュニケーションや、「愛」に飢えているというか、そんな感じ。家族については、自分が東大に受からなくて受かった弟のことを恨んでいるという感じではなく、両親(父=弁護士、母=大学の教育学の教授)が小さい頃から自分よりも弟のほうをひいきするというか、弟だけを可愛がって大事にしていること、に疑問を感じている模様。クールな環も兄に対してとりあえず冷たい感じ。ネタバレしてしまうけれど、小説は最後、勲平が父親(名前は勲)が所有する猟銃で環を打ってしまう場面で終わっている。一高(東大みたいなもの)に自分は落ちて弟は受かって、最後に自殺してしまう“兄弟小説”、久米正雄「受験生の手記」(『学生時代』)とはけっこう違っているかな。やっぱり歳が1つではなく、2つ離れているからか(関係ないか)。兄が弟に自分の好きな人をとられるみたいな話もないし。あと、たしかに弟は兄に対して冷たいのだけれど、画家の唯子との会話から弟(裸です)自身の言い分みたいなものも、聞ける。
でも、兄弟2人とも大学4年なのに来年のことをぜんぜん口にしていないな。あ、弟のほうはそのまま弁護士になるのか。そういえば、1969年に東大は入試を中止している――という事実があるのだけれど、この小説はそれを無視していない?(いや、以前その点があやしい小説を読んだことがあるから)。お兄ちゃん、1975年に大学4年生か。大丈夫だな、関係ないです。1969年(4月)には高校3年生。薫くん@『赤頭巾ちゃん気をつけて』の1学年下だね。
章ごとに視点が変わる形式で書かれていて、全7章。奇数章の視点人物は、大学生の関勲平(23歳)。東大(文科三類)の受験に2回失敗して、3回目は2つ下の弟が東大(文科一類)を受験するので自分は諦めて、早稲田1本に絞ったらしい。現在はその早稲田大学の3年生(最初2月から始まっていてすぐに4年生になるけれど)。一方、偶数章の視点は、勲平の弟(東大生の環)をヌー○モデルとしている女流画家・山岡唯子(42歳)が担当。
勲平お兄ちゃん、他人とのコミュニケーションや、「愛」に飢えているというか、そんな感じ。家族については、自分が東大に受からなくて受かった弟のことを恨んでいるという感じではなく、両親(父=弁護士、母=大学の教育学の教授)が小さい頃から自分よりも弟のほうをひいきするというか、弟だけを可愛がって大事にしていること、に疑問を感じている模様。クールな環も兄に対してとりあえず冷たい感じ。ネタバレしてしまうけれど、小説は最後、勲平が父親(名前は勲)が所有する猟銃で環を打ってしまう場面で終わっている。一高(東大みたいなもの)に自分は落ちて弟は受かって、最後に自殺してしまう“兄弟小説”、久米正雄「受験生の手記」(『学生時代』)とはけっこう違っているかな。やっぱり歳が1つではなく、2つ離れているからか(関係ないか)。兄が弟に自分の好きな人をとられるみたいな話もないし。あと、たしかに弟は兄に対して冷たいのだけれど、画家の唯子との会話から弟(裸です)自身の言い分みたいなものも、聞ける。
でも、兄弟2人とも大学4年なのに来年のことをぜんぜん口にしていないな。あ、弟のほうはそのまま弁護士になるのか。そういえば、1969年に東大は入試を中止している――という事実があるのだけれど、この小説はそれを無視していない?(いや、以前その点があやしい小説を読んだことがあるから)。お兄ちゃん、1975年に大学4年生か。大丈夫だな、関係ないです。1969年(4月)には高校3年生。薫くん@『赤頭巾ちゃん気をつけて』の1学年下だね。
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