「辻」のしんにょうには点がもう1つ。C★NOVELS、1992。いま手もとにあるのは、図書館で借りてきたもの。この本も、ブックオフとかでだいぶ探してみたけれど、いまだに見つかっていないです(涙)。それはそれとして、※以下、たぶんネタがばれていますので、まだお読みでない方はご注意ください。うまく言えないけれど、これも読んでいてちょっと気色悪く感じる小説だったような…。人形が出てくるからとかではなく、やっぱり文章・文体がそう感じさせるのかな…(わからないけれど)。ミステリーとしてはどうなのかな、この小説? とりあえず、個人的には微妙でした。

「あとがき」によれば、<本作はユーカリさんシリーズの一本>であるらしいけれど、<事実上の主役は、恋人岬にからむ駈け落ちコンビ>であるとのこと(ともにp.198)。学校が春休み中の大学生・綾川くるみはいま、伊豆高原で祖母・亀谷(かめがい)ユーカリが開いている人形制作のアトリエ“銀の鈴”に遊びに来ている。と、そこにユーカリの女学校時代の同級生で友達の仁科椿から、伊豆へ行くと書き置きを残して家庭教師と一緒に駈け落ちをした孫息子(庄太郎)を探して欲しいという相談の電話がかかってくる。一方(庄太郎目線に切り換えると)伊豆で駈け落ち中の2人は、観光船に乗っているときに恋人岬のところで男が女の首を絞めているらしき光景を目撃してしまい、逆に単眼鏡でこちらを見られたりして、その男(“あいつ”)からあちこちで追われるようなことに。

18歳の庄太郎くんは「浪人生」と呼ばれて、家庭教師までつけられているけれど、時期はまだ春分の日前の3月(3月中旬くらい?)であるらしい。ま、行くつもりがある大学をすべて落ちた時点で、もう浪人生かもしれないけれど。大学に落ちた理由は、祖母の椿に似て(?)優等生だけれど、素直で大人しく内気な性格なので、試験の本番では雰囲気にのまれてしまったから、らしい(←どこに書かれていたかわからなくなってしまって、いま記憶で書いているのだけれど(汗)。あっている?)。小説ではよくある不合格理由だけれど、そういう精神的に弱いだけの人は、家庭教師に習ったりするよりも、どこかお寺とかで滝にうたれたりするほうはいいのでは? みたいなことをよく思う。それはともかく、家族はといえば、お父さん(信之)は5年前に癌で亡くなっていて、お母さんの恒子は(生きているけれど)庄太郎が3歳のときの父親の再婚相手で、要するに継母。3歳下(4歳だっけ?)にはお母さん違いの弟・恭次郎がいる。

ネタバレしてしまうけれど、ミステリー的にいえば、最初から、結婚をしていて旦那がいるという大学4年生(まだ3年?)の家庭教師・伊島美里がだいぶあやしいよね? ま、それはどうでもいいか。庄太郎くんは結局、美里からだまされていたわけで、人(というか女)にだまされて要するに精神的に成長? 来年は大学にちゃんと合格できたかもしれない。あ、でも、家族が大変なことになって、それ(大学受験)どころではないとか?
 

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