『優しく埋めて』(新潮文庫、1991)所収、9篇中の4篇目。内容とは関係がないけれど、新潮文庫ってほかの文庫本よりも紙が重いよね。この本を持ち上げるたびに、少しずっしりとした感触がある。※毎度すみません、以下、ネタバレ注意です。
文体も内容もけっこうシンプルなわりに、そこそこ面白かったです。電話が置き電話(固定電話)であることや、浪人生がちょっと暗い雰囲気であることには、やや古さを感じてしまったけれど。「暗い」といえば、雨は降ったり降っていなかったりだけれど、作中は梅雨の季節。以前読んだことがあるタイトルつながりの短篇、歌野晶午「盗聴」(『正月十一日、鏡殺し』)とは、ぜんぜん違っているかな。でも、他人どうしの会話のなかに“謎”があることは、共通しているか。
上京して予備校に通う「ぼく」は、たまたま知り合った男(橋川)からもらった盗聴器を、下宿(アパート)近くの、きっかけがあって入ることができた1人の女性(秋本恵子・OL)が暮らすマンションの部屋、の電話にしかけることに成功する。で、その電話の内容が録音されたテープを毎晩、就寝(午前零時半)前の楽しみとして聴いていると、その女性にも覚えのなさそうな謎の男(小倉栄三と名のる)とのやりとりが…、みたいな話。
ネタバレしてしまうけれど、第3者に死体を発見させたいだけであるなら、何かもっと簡単で安全な方法があったのではないか、と思ってしまう。なんていうか、まわりくどいやね(そうでもないのかな)。ほかにどんな方法があるのか訊かれても、まったく思い浮かばないけれど(汗)。
ちなみに「ぼく」は北陸の山国育ちで、家は農家とのこと。男ばかりの兄弟の間に挟まれているらしい(何人兄弟? 家業はお兄さん(たち)が継ぐのかな?)。仕送りが生活するのにぎりぎりらしく、盗聴先の部屋から5万円を盗んだりしている。性格は自分で<内気で、人見知りする>(p.155)と言ったりしている。で、合否はどうなったのかな? 描かれていないからわからないけれど、事件(?)が解決して入試までまだだいぶ時間があるし、予備校もちゃんと通っているようだから、まぁ大丈夫かもしれない。それとも、盗聴&窃盗という行為の天罰として不合格とか?
文体も内容もけっこうシンプルなわりに、そこそこ面白かったです。電話が置き電話(固定電話)であることや、浪人生がちょっと暗い雰囲気であることには、やや古さを感じてしまったけれど。「暗い」といえば、雨は降ったり降っていなかったりだけれど、作中は梅雨の季節。以前読んだことがあるタイトルつながりの短篇、歌野晶午「盗聴」(『正月十一日、鏡殺し』)とは、ぜんぜん違っているかな。でも、他人どうしの会話のなかに“謎”があることは、共通しているか。
上京して予備校に通う「ぼく」は、たまたま知り合った男(橋川)からもらった盗聴器を、下宿(アパート)近くの、きっかけがあって入ることができた1人の女性(秋本恵子・OL)が暮らすマンションの部屋、の電話にしかけることに成功する。で、その電話の内容が録音されたテープを毎晩、就寝(午前零時半)前の楽しみとして聴いていると、その女性にも覚えのなさそうな謎の男(小倉栄三と名のる)とのやりとりが…、みたいな話。
ネタバレしてしまうけれど、第3者に死体を発見させたいだけであるなら、何かもっと簡単で安全な方法があったのではないか、と思ってしまう。なんていうか、まわりくどいやね(そうでもないのかな)。ほかにどんな方法があるのか訊かれても、まったく思い浮かばないけれど(汗)。
ちなみに「ぼく」は北陸の山国育ちで、家は農家とのこと。男ばかりの兄弟の間に挟まれているらしい(何人兄弟? 家業はお兄さん(たち)が継ぐのかな?)。仕送りが生活するのにぎりぎりらしく、盗聴先の部屋から5万円を盗んだりしている。性格は自分で<内気で、人見知りする>(p.155)と言ったりしている。で、合否はどうなったのかな? 描かれていないからわからないけれど、事件(?)が解決して入試までまだだいぶ時間があるし、予備校もちゃんと通っているようだから、まぁ大丈夫かもしれない。それとも、盗聴&窃盗という行為の天罰として不合格とか?
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