丸谷才一 「だらだら坂」
2009年3月23日 読書
手もとにあるのは講談社文芸文庫版だけれど、『横しぐれ』(講談社、1975/講談社文庫、1978/講談社文芸文庫、1990)に収録されているいちばん短い1篇(全4篇中の2篇目)。これは、読み始めてすぐに面白いと思ったです。語り口がそう感じさせるのかな。話としては、個人的には村上春樹の『海辺のカフカ』をちょっと思い出す。
短いものだし読みやすいので私が説明するより読んでもらったほうが早いと思うけれど、いちおういつものように。「ぼく」(よくわからないけれど「部長」らしい)が過去に経験した喧嘩について誰かに語っている、という形をとっている小説で、その昔のことというのは、戦後5年目、大学の教養学部を受けて落ち、予備校に通うために上京して従兄のアパート(吉祥寺、6畳)に転がり込んでいたけれど、でも、「ぼく」はそこを出てほかのアパートに移るために予備校を休んで「内職」(いまでいえばアルバイトか)をしたりしていて、そうこうするうちにやっと郷里から仕送りが来て。そのお金を持って新宿の不動産屋が並んでいるところに物件を探しに行くと、道で若い3人組にかつあげされそうになって…、みたいな話。というか、あいかわらず内容紹介が下手だな(涙)。
戦後5年目=1950年の話というなら、岡松和夫が書いている小説(「百合鴎」など)の作中年の翌年か。「新宿の遊廓」(p.167)というのは、岡松和夫が書いているところと同じ場所?(よく覚えていないな、読み直さないとわからない)。よくわからないけれど、1950年というのは、新制大学になってから2度目の入試が行なわれた年?(違っている?)。
主人公は大学には翌年、あっさりと受かってしまったみたいだし、“浪人生小説”としてはいまいち、かな。作者というか丸谷才一も、中学(旧制)を卒業後、上京して予備校(城北予備校)に通っていたらしいけれど、時代的にはもっと前、1943年(昭和18年)のこと。翌年には、高校(新潟高校)に入学している。1浪くらいしかしていないと、3浪している安岡章太郎&遠藤周作ほどには、浪人時代に対する思い入れ(?)はないのかもしれない。
短いものだし読みやすいので私が説明するより読んでもらったほうが早いと思うけれど、いちおういつものように。「ぼく」(よくわからないけれど「部長」らしい)が過去に経験した喧嘩について誰かに語っている、という形をとっている小説で、その昔のことというのは、戦後5年目、大学の教養学部を受けて落ち、予備校に通うために上京して従兄のアパート(吉祥寺、6畳)に転がり込んでいたけれど、でも、「ぼく」はそこを出てほかのアパートに移るために予備校を休んで「内職」(いまでいえばアルバイトか)をしたりしていて、そうこうするうちにやっと郷里から仕送りが来て。そのお金を持って新宿の不動産屋が並んでいるところに物件を探しに行くと、道で若い3人組にかつあげされそうになって…、みたいな話。というか、あいかわらず内容紹介が下手だな(涙)。
戦後5年目=1950年の話というなら、岡松和夫が書いている小説(「百合鴎」など)の作中年の翌年か。「新宿の遊廓」(p.167)というのは、岡松和夫が書いているところと同じ場所?(よく覚えていないな、読み直さないとわからない)。よくわからないけれど、1950年というのは、新制大学になってから2度目の入試が行なわれた年?(違っている?)。
主人公は大学には翌年、あっさりと受かってしまったみたいだし、“浪人生小説”としてはいまいち、かな。作者というか丸谷才一も、中学(旧制)を卒業後、上京して予備校(城北予備校)に通っていたらしいけれど、時代的にはもっと前、1943年(昭和18年)のこと。翌年には、高校(新潟高校)に入学している。1浪くらいしかしていないと、3浪している安岡章太郎&遠藤周作ほどには、浪人時代に対する思い入れ(?)はないのかもしれない。
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