辻仁成 「満員電車の恋」
2009年4月3日 読書
↑しんにょうには点がもう1つ。『そこに君がいた』(新潮文庫、2002)に収録されている5頁弱ほどのエッセイ。本の後ろのほうに、<本書は書き下ろしに、ベネッセ・コーポレーションから発行された「Challenge」の平成六年二月号から七年一月号まで連載された「そこに君はいた。」を加えたものです。>(p.195)とある。よくわからないけれど、この1篇は、浪人時代の話(広い意味で大学受験がらみの話)なので、書き下ろしではないほうかもしれない。
いま4月(2009年)なので、上京したりしてこれから初めて電車で予備校に通う、という人も多いのかな? 参考になるのかどうかわからないけれど(たぶんならないと思うけど)、このエッセイでは、辻少年が1、2ヶ月で予備校に通わなくなった、そのきっかけのようなものが書かれている。電車でいつも見かける女の子にある日、筆談というかノートを使って声をかけて(<『満員電車は辛いね』>、p.128)、言葉を交わすうちに(漫画とか小説とかドラマではよくある話かもしれないけれど)どこの学生か訊かれ、ふと志望校の名前を書いてしまう。すると、彼女のほうは、自分は予備校生で、来年先輩の大学を受けるつもりです、と書いてくる。しかも、予備校は「僕」が通っているところ、みたいな…。「僕」は翌日から予備校には通わず、前日無理して買ったギターを家で練習していたらしい。――S研ゼミの人がどうしてエッセイの連載を辻仁成に依頼したのか、ちょっと疑問に思わなくもないけれど、それはともかく。いつも同じ車両に乗っていて同じ予備校であれば、降りる駅もその先の道も同じだろうから、もっと早くに気づいていそうな気もするけれどね、そんなこともないのか。でも、別にカッコをつけていないで(?)そのままふつう予備校に通えばよかったのにね。学校のなかで会ったら、この前つい嘘をついてしまったことを謝るとか、すればいいのに。うーん…、そう言うのは簡単だけれど(汗)。ま、将来どうしてもしたいことがあるとか、どうしてもこの大学に行きたいとか、その類の強い動機付けがないと、そんなことにもなりがちかもしれない。ちなみに、著者は1959年生まれで、卒業した高校は函館。東京では田無に住んで、電車は西武新宿線を使って、予備校は高田馬場とのこと。(小説家ではたしか、山川健一も浪人時代は田無だったと思う。)
自分も1浪のとき、上京して、満員電車で予備校に通っていたけれど、やっぱりあまり快かった思い出はないね。それにそう、予備校って学校によって始まる時間が違うから、予備校生ばかりのところに下宿していたのだけれど、ほかの予備校に通っている人は、自分が通っているところよりも1時間目(1限目)が始まるのが少し遅くて、もう少し空いている電車で通っていたようだった。というか、ふつうそんなことまで調べて予備校や、住むところを選ばないもんね(汗)。そういえば、同じ予備校に満員電車が嫌だからと言って、朝、けっこう早く来て教室で勉強している女の子がいたけれど、起きられれば早い時間にずらすという手もあるか。あ、女の子の場合は、痴漢の被害に遭ったりとか、押されたときに体型的にふりだったりとか、男の子以上に大変そうだな…、満員電車。1つのいけないパターンは、最初の授業を受けなくなってしまう(「切って」しまう)ことかな。だんだんと予備校自体から足が遠のいてしまいそうだから。
いま4月(2009年)なので、上京したりしてこれから初めて電車で予備校に通う、という人も多いのかな? 参考になるのかどうかわからないけれど(たぶんならないと思うけど)、このエッセイでは、辻少年が1、2ヶ月で予備校に通わなくなった、そのきっかけのようなものが書かれている。電車でいつも見かける女の子にある日、筆談というかノートを使って声をかけて(<『満員電車は辛いね』>、p.128)、言葉を交わすうちに(漫画とか小説とかドラマではよくある話かもしれないけれど)どこの学生か訊かれ、ふと志望校の名前を書いてしまう。すると、彼女のほうは、自分は予備校生で、来年先輩の大学を受けるつもりです、と書いてくる。しかも、予備校は「僕」が通っているところ、みたいな…。「僕」は翌日から予備校には通わず、前日無理して買ったギターを家で練習していたらしい。――S研ゼミの人がどうしてエッセイの連載を辻仁成に依頼したのか、ちょっと疑問に思わなくもないけれど、それはともかく。いつも同じ車両に乗っていて同じ予備校であれば、降りる駅もその先の道も同じだろうから、もっと早くに気づいていそうな気もするけれどね、そんなこともないのか。でも、別にカッコをつけていないで(?)そのままふつう予備校に通えばよかったのにね。学校のなかで会ったら、この前つい嘘をついてしまったことを謝るとか、すればいいのに。うーん…、そう言うのは簡単だけれど(汗)。ま、将来どうしてもしたいことがあるとか、どうしてもこの大学に行きたいとか、その類の強い動機付けがないと、そんなことにもなりがちかもしれない。ちなみに、著者は1959年生まれで、卒業した高校は函館。東京では田無に住んで、電車は西武新宿線を使って、予備校は高田馬場とのこと。(小説家ではたしか、山川健一も浪人時代は田無だったと思う。)
自分も1浪のとき、上京して、満員電車で予備校に通っていたけれど、やっぱりあまり快かった思い出はないね。それにそう、予備校って学校によって始まる時間が違うから、予備校生ばかりのところに下宿していたのだけれど、ほかの予備校に通っている人は、自分が通っているところよりも1時間目(1限目)が始まるのが少し遅くて、もう少し空いている電車で通っていたようだった。というか、ふつうそんなことまで調べて予備校や、住むところを選ばないもんね(汗)。そういえば、同じ予備校に満員電車が嫌だからと言って、朝、けっこう早く来て教室で勉強している女の子がいたけれど、起きられれば早い時間にずらすという手もあるか。あ、女の子の場合は、痴漢の被害に遭ったりとか、押されたときに体型的にふりだったりとか、男の子以上に大変そうだな…、満員電車。1つのいけないパターンは、最初の授業を受けなくなってしまう(「切って」しまう)ことかな。だんだんと予備校自体から足が遠のいてしまいそうだから。
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