渡辺淳一 『白夜 Ⅰ 彷徨の章』
2009年5月25日 読書
手もとにあるのは、新潮文庫(1993年)。単行本は中央公論社から出ていて(1980年)、文庫は中公文庫(1983年)や、最近ではポプラ文庫(2009年)からも出ているらしい。
<札幌の大学二年生、高村伸夫は専門課程の選択に悩み、雪に閉ざされた暗鬱なものからの脱出も夢見て、京都の大学の文学部に編入を試みる。が、それに失敗した伸夫は人間へのやみがたい興味から、同じ札幌の別の大学の医学部に進むことを決意する。解剖実習、お産見学の宿直、インターンのための上京など、とまどいにみちた清新な日々の心の軌跡を刻む自伝的長編五部作の第一作。>(表紙カバーより)
前年度(1年のとき)の話で、秋ごろから東大を目指して受験勉強をしていた、みたいなことが書かれている。きっかけは、夏休みに東京で東大を目指して浪人している仲間に会ったかららしい。伸夫は地元の名門高校の出身で、現役のときには東大を受けようかどうか迷ったらしい。――頑張っている人を見ると、頑張りたくなるというのはわかるかな。「人が羨ましい」のとはちょっと違うか。でも、国立大学に通っている場合、やめないとほかの国立大学が受けられないらしく、伸夫くんはそれで結局、諦めている(<自分の意気地なさに一人で腹を立てていた>とのこと)。いわゆる“仮面浪人”の人の末路(?)は、こういう感じが多いのかな? 要するにいま籍がある大学に通うようになるという…。望んでいる大学に受かるのが本人にとってはベストであるのは当然だろうけれど。そう、下田くん――主人公と同じ大学に通っていて東大を目指していて、大学をやめて受験してその年は落ちたらしい人――は、その後、東大には受かったのかな?
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“仮面浪人”について書かれている本ってあまりないような…。ほとんど読んでいないけれど、吉本康永『大学には入ったけれど――大学中退をめぐる親子の壮絶バトル』(三五館、2003)という本では、ある程度ページが割かれている(著者は予備校講師)。仮面浪人にかぎらず、いままだ5月(2009年5月)なので、大学をやめたいとか、そのたぐいの“5月病”に罹っている人にはおすすめな本かもしれない(中身をほとんど読んでいないのでわからないけれど)。
<札幌の大学二年生、高村伸夫は専門課程の選択に悩み、雪に閉ざされた暗鬱なものからの脱出も夢見て、京都の大学の文学部に編入を試みる。が、それに失敗した伸夫は人間へのやみがたい興味から、同じ札幌の別の大学の医学部に進むことを決意する。解剖実習、お産見学の宿直、インターンのための上京など、とまどいにみちた清新な日々の心の軌跡を刻む自伝的長編五部作の第一作。>(表紙カバーより)
前年度(1年のとき)の話で、秋ごろから東大を目指して受験勉強をしていた、みたいなことが書かれている。きっかけは、夏休みに東京で東大を目指して浪人している仲間に会ったかららしい。伸夫は地元の名門高校の出身で、現役のときには東大を受けようかどうか迷ったらしい。――頑張っている人を見ると、頑張りたくなるというのはわかるかな。「人が羨ましい」のとはちょっと違うか。でも、国立大学に通っている場合、やめないとほかの国立大学が受けられないらしく、伸夫くんはそれで結局、諦めている(<自分の意気地なさに一人で腹を立てていた>とのこと)。いわゆる“仮面浪人”の人の末路(?)は、こういう感じが多いのかな? 要するにいま籍がある大学に通うようになるという…。望んでいる大学に受かるのが本人にとってはベストであるのは当然だろうけれど。そう、下田くん――主人公と同じ大学に通っていて東大を目指していて、大学をやめて受験してその年は落ちたらしい人――は、その後、東大には受かったのかな?
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“仮面浪人”について書かれている本ってあまりないような…。ほとんど読んでいないけれど、吉本康永『大学には入ったけれど――大学中退をめぐる親子の壮絶バトル』(三五館、2003)という本では、ある程度ページが割かれている(著者は予備校講師)。仮面浪人にかぎらず、いままだ5月(2009年5月)なので、大学をやめたいとか、そのたぐいの“5月病”に罹っている人にはおすすめな本かもしれない(中身をほとんど読んでいないのでわからないけれど)。
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