道尾秀介 「□(ケモノ)」
2009年6月29日 読書
↑□ではなくて、けものへん(だけ)。文字化けするというか、点になってしまう。『鬼の跫音』(角川書店、2009)所収、6篇中の2篇目。ミステリー寄りのホラー、ホラー寄りのミステリー? 文章はとても新鮮な感じがするけれど、内容はそれほどひねられていない感じ、かな。話(物語)的には乙一とかのほうが面白いかも。※以下、毎度すみません、ネタバレ注意です。
祖母からもらった古い椅子の脚が折れ、その断面に言葉が彫られているのを「僕」は見つける。その椅子は刑務所作業製品で、書かれていた名前をインターネットで検索すると、昔(昭和40年)の事件について書かれたページが出てくる。名前は両親殺害事件の犯人のもの。で、彫られていた言葉の意味を知るために、「僕」は事件が起こった福島県の村を訪れる――。受験に失敗して3ヶ月、「僕」は予備校生、とのこと。家族=祖母・父・母・妹は頭がいいらしく、勉強のできない、しかも今年の受験に失敗した「僕」は、家族たちには「恥」に当たるらしい。――親子もの、兄弟ものでよくある設定かな。父親は有名な大学を出ているのに自分は有名な大学に入れないとか、3人兄弟で自分だけが勉強ができないとか。
過去の事件の真相には、読んでいて既視感がある…というか、人間関係(父親が若い後妻をもらって子どもが産まれて…みたいな)が、この前たまたま読んだ東野圭吾の「闇の中の二人」(『犯人のいない殺人の夜』)にも似ている。浪人生部分(?)については、まだ主人公が福島に出かける前から、こんな感じかなとオチの見当がついてしまったのだけれど。わかりやすいよね?(似たような小説ばかり読んでいるからかな)。
[追記]収録本はその後、文庫化される(角川文庫、2011.11)。
祖母からもらった古い椅子の脚が折れ、その断面に言葉が彫られているのを「僕」は見つける。その椅子は刑務所作業製品で、書かれていた名前をインターネットで検索すると、昔(昭和40年)の事件について書かれたページが出てくる。名前は両親殺害事件の犯人のもの。で、彫られていた言葉の意味を知るために、「僕」は事件が起こった福島県の村を訪れる――。受験に失敗して3ヶ月、「僕」は予備校生、とのこと。家族=祖母・父・母・妹は頭がいいらしく、勉強のできない、しかも今年の受験に失敗した「僕」は、家族たちには「恥」に当たるらしい。――親子もの、兄弟ものでよくある設定かな。父親は有名な大学を出ているのに自分は有名な大学に入れないとか、3人兄弟で自分だけが勉強ができないとか。
過去の事件の真相には、読んでいて既視感がある…というか、人間関係(父親が若い後妻をもらって子どもが産まれて…みたいな)が、この前たまたま読んだ東野圭吾の「闇の中の二人」(『犯人のいない殺人の夜』)にも似ている。浪人生部分(?)については、まだ主人公が福島に出かける前から、こんな感じかなとオチの見当がついてしまったのだけれど。わかりやすいよね?(似たような小説ばかり読んでいるからかな)。
[追記]収録本はその後、文庫化される(角川文庫、2011.11)。
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