豊島ミホ 「遠回りもまだ途中」
2009年7月20日 読書
相互に関連はないけれど、それぞれ“幼なじみ”に対する想いが描かれている連作短篇集、『夏が僕を抱く』(祥伝社、2009)に収録されている1篇。6篇中の4篇目。久しぶりに読んだけれど、豊島ミホってやっぱりいいな、と改めて思ったです。この1篇だけでなく全篇が好きかもしれない。似たような(?)ほかの女性作家の小説とどこが違うのかな? …わからんです。全体的に漫画っぽいといえば漫画っぽい、とは思うけれど。書名(=5篇目のタイトル、唯一の男性目線小説)は、ちょっと村山由佳っぽくて嫌だな(「夏」に「僕」に「抱く」に)。
「あたし」(=有里)は地元(埼玉県)の私立大学に通う大学1年生。付き合い始めたサークルの先輩=将チン(小染将也)と今度のクリスマスを一緒に過ごすことに。一方、「あたし」には三軒隣に住んでいる、岬という名の同じ歳の幼なじみ(難関大学を落ちて浪人中)がいて…、みたいな話。いわゆる三角関係ではなくて(そうとも読めるかもしれないけれど)、幼なじみとの関係(距離)を変えたくないというか、幼なじみに甘えてはいけない、みたいな話(なんかぜんぜん違うような。そんな話だったっけ?(汗))。そう、最後まで読んで、将チン先輩の過去に何があったかはちょっと気になったかな。
岬くんの容姿はひと言でいえば「ヒゲデブメガネ」となるらしい(「ヒゲ」と「メガネ」は本人の選択らしいけれど)。でも、持つべきものは幼なじみというか、梅雨に入ったころに「あたし」が久しぶりに岬の家を訪ねたときの話があって、部屋のなかで岬はくさって(腐って?)いて、「あたし」は部屋の窓を開け放って…、みたいな。「あたし」がいなければ落ちるところまで(再浮上できない地点まで)落ちていたよね、この浪人生(汗)。あ、でも「あたし」が来ないからくさっていたのか。
最近、昔の(2、30年前の)三文推理小説ばかり読んでいたせいか、会話とかもすごく新鮮に感じる。21世紀はちゃんと訪れていたんだなぁ、としみじみ思う(意味不明か)。
(ちなみに同じ本の2篇目「らくだとモノレール」では、「あたし」の幼なじみというか友だちのらくだ(高校3年生)が予備校に通い始めている。)
[追記]上の作品の収録本はその後、文庫化(祥伝社文庫、2012.7)。
「あたし」(=有里)は地元(埼玉県)の私立大学に通う大学1年生。付き合い始めたサークルの先輩=将チン(小染将也)と今度のクリスマスを一緒に過ごすことに。一方、「あたし」には三軒隣に住んでいる、岬という名の同じ歳の幼なじみ(難関大学を落ちて浪人中)がいて…、みたいな話。いわゆる三角関係ではなくて(そうとも読めるかもしれないけれど)、幼なじみとの関係(距離)を変えたくないというか、幼なじみに甘えてはいけない、みたいな話(なんかぜんぜん違うような。そんな話だったっけ?(汗))。そう、最後まで読んで、将チン先輩の過去に何があったかはちょっと気になったかな。
岬くんの容姿はひと言でいえば「ヒゲデブメガネ」となるらしい(「ヒゲ」と「メガネ」は本人の選択らしいけれど)。でも、持つべきものは幼なじみというか、梅雨に入ったころに「あたし」が久しぶりに岬の家を訪ねたときの話があって、部屋のなかで岬はくさって(腐って?)いて、「あたし」は部屋の窓を開け放って…、みたいな。「あたし」がいなければ落ちるところまで(再浮上できない地点まで)落ちていたよね、この浪人生(汗)。あ、でも「あたし」が来ないからくさっていたのか。
最近、昔の(2、30年前の)三文推理小説ばかり読んでいたせいか、会話とかもすごく新鮮に感じる。21世紀はちゃんと訪れていたんだなぁ、としみじみ思う(意味不明か)。
(ちなみに同じ本の2篇目「らくだとモノレール」では、「あたし」の幼なじみというか友だちのらくだ(高校3年生)が予備校に通い始めている。)
[追記]上の作品の収録本はその後、文庫化(祥伝社文庫、2012.7)。
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