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中村航 『100回泣くこと』
2009年11月22日 読書
小学館、2005/小学館文庫、2007。手もとにある文庫本には表紙カバーが2枚も付いている(微妙…)。タイトルのせいか、読むのにちょっと抵抗があったけれど、読み始めてみたら中村航だったというか、これが中村航版の『セカチュー』(片山恭一『世界の中心で、愛をさけぶ』)ということなんだろうか、よくわからないけれど。中村航(ほかに2冊しか読んだことがないけれど)って、やっぱり男の子受けしそうな小説という感じがする。そうでもない?(いいかげんなことを言っていると女性ファンに怒られるかな)。あと、やっぱり村上春樹っぽいところもあるよね、例えば<バイクの修理には牛丼がよく似合う>(p.26)みたいな言い方とか、謎の(?)<箱>とか。これも読む人の感じ方によるか。読んでいてリズムが心地いいし、頭の中のネジが1本外せれば、すごくはまれそうな気もするけれど、いまのところは淡々と読んでしまう、私の場合。もちろんまったく泣けていない。
<実家で飼っていた愛犬・ブックが死にそうだ、という連絡を受けた僕は、彼女から「バイクで帰ってあげなよ」といわれる。ブックは、僕の2ストのバイクが吐き出すエンジン音が何より大好きだった。/四年近く乗っていなかったバイク。彼女と一緒にキャブレターを分解し、そこで、僕は彼女に「結婚しよう」と告げる。彼女は、一年間(結婚の)練習をしよう、といってくれた。愛犬も一命を取り留めた。ブックの回復→バイク修理→プロポーズ。幸せの連続線はどこまでも続くんだ、と思っていた。ずっとずっと続くんだと思っていた――。>(カバー背より)
全文を引用しなくてもよかったか。それはともかく。ブックは「僕」が大学浪人中の春に、図書館の駐輪場の脇に(たぶん)捨てられていて、家に連れて帰って飼い始めた(当時は)幼犬。「僕」はブックと浪人生活の1年間を一緒に過ごしている。「僕」が勉強しているときには、同じ部屋(陽のあたらない2階の部屋)でブックは寝ていて、散歩の代わりにバイクで一緒に河原(揖斐川、実家は岐阜県)に行ったり、している。小説といえば小説、石黒謙吾「裏口にいた犬」(『犬がいたから』)のように犬が話し相手になっているわけではなくて、えーと…、遊び相手という感じ?(あいかわらずのボキャ貧だな、自分(汗))。とりあえず大学に合格できた理由の何割かは、そのブックにあるのかもしれない。そう、以前にもこのブログで、この小説について触れてちらっと書いたような気がするけれど、受験雑誌(たぶん)の『大学への数学』が出てくる。
前半も、読んでいて犬の容態が心配な小説だけれど、後半はもっとねぇ…。ネタバレするからあまり書かないほうがいいか。ちなみに作者じしんは浪人していそうで(?)浪人していない。大学(芝浦工大)では1年留年しているようだけれど。あと塾講師の経験もあるようだ。←参考文献:「中村航のリレキショ」(『野性時代』2008年12月号、角川書店)。
<実家で飼っていた愛犬・ブックが死にそうだ、という連絡を受けた僕は、彼女から「バイクで帰ってあげなよ」といわれる。ブックは、僕の2ストのバイクが吐き出すエンジン音が何より大好きだった。/四年近く乗っていなかったバイク。彼女と一緒にキャブレターを分解し、そこで、僕は彼女に「結婚しよう」と告げる。彼女は、一年間(結婚の)練習をしよう、といってくれた。愛犬も一命を取り留めた。ブックの回復→バイク修理→プロポーズ。幸せの連続線はどこまでも続くんだ、と思っていた。ずっとずっと続くんだと思っていた――。>(カバー背より)
全文を引用しなくてもよかったか。それはともかく。ブックは「僕」が大学浪人中の春に、図書館の駐輪場の脇に(たぶん)捨てられていて、家に連れて帰って飼い始めた(当時は)幼犬。「僕」はブックと浪人生活の1年間を一緒に過ごしている。「僕」が勉強しているときには、同じ部屋(陽のあたらない2階の部屋)でブックは寝ていて、散歩の代わりにバイクで一緒に河原(揖斐川、実家は岐阜県)に行ったり、している。小説といえば小説、石黒謙吾「裏口にいた犬」(『犬がいたから』)のように犬が話し相手になっているわけではなくて、えーと…、遊び相手という感じ?(あいかわらずのボキャ貧だな、自分(汗))。とりあえず大学に合格できた理由の何割かは、そのブックにあるのかもしれない。そう、以前にもこのブログで、この小説について触れてちらっと書いたような気がするけれど、受験雑誌(たぶん)の『大学への数学』が出てくる。
前半も、読んでいて犬の容態が心配な小説だけれど、後半はもっとねぇ…。ネタバレするからあまり書かないほうがいいか。ちなみに作者じしんは浪人していそうで(?)浪人していない。大学(芝浦工大)では1年留年しているようだけれど。あと塾講師の経験もあるようだ。←参考文献:「中村航のリレキショ」(『野性時代』2008年12月号、角川書店)。
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