久美沙織 『とってもシンドローム』
2009年12月25日 読書
集英社コバルト文庫、1982。この作者の少女向け小説は今回初めて読んだ。四半世紀以上も前のコバルト文庫、古いといえば古いのだけれど、なんとなく予想していたよりは、ずっと面白く読めたです。文章もしっかりしていて安定感があるし、登場人物たちもわりと生き生きと描かれているし。でも、内容が(古いだけでなく)ちょっと表面的な感じがして、なんていうか読み終わっても、何かちょっと読み足りていないような気分に。これで終わりなのか、みたいな。“1人称オレ小説”のせいか、文章量に比して内容(量)が少ないからかな。ま、例によって私の感度が鈍いだけかもしれないけれど。
<オレ、高校一年生。名前はよしひろ。仲間の松太郎とオサム、この三人の頭文字を合わせてYMO[イモ]トリオって呼ばれてる。ある日突然、ふってわいた恐怖の借金50万円!! 事件はここからはじまった!! 金欠病に恋の病と、ヒトなみに青春の症候群[シンドローム]をしょいこんじまって、てんてこまいのシンドさだ。甲子園を目指しているよーな、熱血根性はガラじゃない。でもオレたち、ちからいっぱいビョーキしてんだぜ!!>(カバー折り返しより。太字は原文傍点、[括弧]はルビ)
語り手の「オレ」(榊原祥宏)、英会話の教材を買わされてしまった巨漢の黒川松太郎、美男子で成績優秀な本堂理の仲良し3人組は、松太郎の借金(ローン)を返すためにビルの清掃のアルバイトを始める。――“少女小説”だけでなく“少年小説”にもなっている感じかな。
「オレ」の姉の柊子(しゅうこ)が浪人生。このお姉ちゃんが最初に登場してくる場面が個人的には、う~ん…な感じなのだけれど(バスタオル姿で冗談とはいえ弟を誘惑している……なんだろう、少女漫画っぽいのとも違うような)、それはともかく、主人公が男子高校生でお姉ちゃんが浪人生、というケースは、小説では極めて珍しいと思う(珍しいというか、今回初めて読んだかな、過去ログを読み返してみないとわからないけれど)。でも、例によって女の子が浪人生の場合には、フォローがあるわけで、このお姉ちゃんというかこの柊子さんは、高校時代、開校以来ゆびおりの才女、であったらしい。そのせいで弟の「オレ」(姉と同じ「峯山高校」に通っている、勉強はできない)は、教師たちからその姉と比較されてしまっている。ではそんな才女がなぜ浪人中なのか(大学に落ちているのか)といえば、これも小説的、社会的なフォロー(女・子どもには優しくね?)という感じがしなくもないけれど、生理痛の薬を飲みすぎて試験中に寝てしまったから、らしい(同じコバルト文庫、薬といえば、男子浪人生だけれど、氷室冴子『雑居時代』にもちょっと似ている)。たんなる設定という感じだけれど、中学生の家庭教師を3件しているらしい。予備校には通っていないっぽいけれど、通信添削はしているらしい。
でも、個人的にはがっかりというか、小説ではありがちなことだけれど(※以下だいぶネタバレしてしまうけれど)、受験勉強なんてどうでもよくなってしまう。ティーン向けの雑誌(『ヤング・スペース』文々社)で送った小説のショートショートが入選して(8月号)、なんだかんだで作家デビューという方向に。どうでもいいけれど、その小説のタイトルがちょっと面白いかな。――『痴漢ひきうけ株式会社』。この本が出版されたとき(1982年)くらいだと、子ども向け小説(?)『宿題ひきうけ株式会社』(古田足日)ってまだけっこう読まれていたのかな?(講談社文庫だっけ)。というか、いまでもけっこう読まれていたらすみません(汗)。
(話が戻るけれど、以前ラジオを聴いていたら、夕方の情報番組の中だったっけな、産婦人科の先生が受験生向けに生理日のずらし方について喋っていて。私は女性でも受験生でもないので聞き流してしまったけれど、受験生で何か自分の体のことで不安に思っていることがある人は、お医者さんに相談してみるのもいいかもしれないね。←なんかふつうの意見ですみません(汗)。)
<オレ、高校一年生。名前はよしひろ。仲間の松太郎とオサム、この三人の頭文字を合わせてYMO[イモ]トリオって呼ばれてる。ある日突然、ふってわいた恐怖の借金50万円!! 事件はここからはじまった!! 金欠病に恋の病と、ヒトなみに青春の症候群[シンドローム]をしょいこんじまって、てんてこまいのシンドさだ。甲子園を目指しているよーな、熱血根性はガラじゃない。でもオレたち、ちからいっぱいビョーキしてんだぜ!!>(カバー折り返しより。太字は原文傍点、[括弧]はルビ)
語り手の「オレ」(榊原祥宏)、英会話の教材を買わされてしまった巨漢の黒川松太郎、美男子で成績優秀な本堂理の仲良し3人組は、松太郎の借金(ローン)を返すためにビルの清掃のアルバイトを始める。――“少女小説”だけでなく“少年小説”にもなっている感じかな。
「オレ」の姉の柊子(しゅうこ)が浪人生。このお姉ちゃんが最初に登場してくる場面が個人的には、う~ん…な感じなのだけれど(バスタオル姿で冗談とはいえ弟を誘惑している……なんだろう、少女漫画っぽいのとも違うような)、それはともかく、主人公が男子高校生でお姉ちゃんが浪人生、というケースは、小説では極めて珍しいと思う(珍しいというか、今回初めて読んだかな、過去ログを読み返してみないとわからないけれど)。でも、例によって女の子が浪人生の場合には、フォローがあるわけで、このお姉ちゃんというかこの柊子さんは、高校時代、開校以来ゆびおりの才女、であったらしい。そのせいで弟の「オレ」(姉と同じ「峯山高校」に通っている、勉強はできない)は、教師たちからその姉と比較されてしまっている。ではそんな才女がなぜ浪人中なのか(大学に落ちているのか)といえば、これも小説的、社会的なフォロー(女・子どもには優しくね?)という感じがしなくもないけれど、生理痛の薬を飲みすぎて試験中に寝てしまったから、らしい(同じコバルト文庫、薬といえば、男子浪人生だけれど、氷室冴子『雑居時代』にもちょっと似ている)。たんなる設定という感じだけれど、中学生の家庭教師を3件しているらしい。予備校には通っていないっぽいけれど、通信添削はしているらしい。
でも、個人的にはがっかりというか、小説ではありがちなことだけれど(※以下だいぶネタバレしてしまうけれど)、受験勉強なんてどうでもよくなってしまう。ティーン向けの雑誌(『ヤング・スペース』文々社)で送った小説のショートショートが入選して(8月号)、なんだかんだで作家デビューという方向に。どうでもいいけれど、その小説のタイトルがちょっと面白いかな。――『痴漢ひきうけ株式会社』。この本が出版されたとき(1982年)くらいだと、子ども向け小説(?)『宿題ひきうけ株式会社』(古田足日)ってまだけっこう読まれていたのかな?(講談社文庫だっけ)。というか、いまでもけっこう読まれていたらすみません(汗)。
(話が戻るけれど、以前ラジオを聴いていたら、夕方の情報番組の中だったっけな、産婦人科の先生が受験生向けに生理日のずらし方について喋っていて。私は女性でも受験生でもないので聞き流してしまったけれど、受験生で何か自分の体のことで不安に思っていることがある人は、お医者さんに相談してみるのもいいかもしれないね。←なんかふつうの意見ですみません(汗)。)
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