TVドラマ(というか某有名番組)を担当の脚本家がノベライズした本、『ポプラ社版・NHK中学生日記30・恋のピエロ コンプレックス』(ポプラ社、1995。「コンプレックス」は副題)、3篇収録されているうちの最後のもの。いま手もとにあるのは図書館(の児童書のコーナー)から借りてきた本。絶版・品切れになっているらしく(本屋で注文したらないです、と言われた)、ブックオフなどで探しても見つからず。なんていうか、意外とオチがちゃんとあってふつうに面白かった、かな。思っていたよりも明るい話だったし、その点も個人的にはいいなと思ったです。あ、この1篇の、もともとのTVドラマ(1992年10月放送らしい)は、私は見たことがないです。(そもそも『中学生日記』って昔からあまり好きではなくて、いままでに5回も見たことがないと思う。)

舞台は名古屋市。主人公の橋本将昭は中学3年生、元サッカー部主将で夢はJリーガー。家族には両親と妹(紀夫、幸子、小学生の恵)がいる。そんな家に9月、浪人3年目のいとこ(母親の姉の息子の)大岩克仁が、同居するためにやってくる。東大医学部志望から偏差値をさげて名大医学部志望に変えて…みたいな理由かららしい。広くない家なので、寝起きや勉強は将昭の部屋に。ネタバレしてしまうけれど、お母さんには、勉強をする気のない中学3年の息子(受験生)の勉強をこの浪人生に見てもらおう、という思わくもあったらしい。一方、学校でも問題が発生というか、同じ高校に入ってサッカーをやろうと誓っていた仲間たち(4人組)が高校受験を前にばらばらに…。要するに悩める中学3年生という感じ? 主人公のキャラクターがけっこう好感がもてる。健康的というか、明るくてまっすぐな性格。

“浪人生小説”(浪人生が出てくる小説、くらいの意味)としてはどうなのかな? ネタバレしてしまうけれど、克仁くんは実は「鉄道オタク」で、夢は電車の運転手になることだということがわかる(主人公にそう語っている)。ほんと、勉強をがんばって大学に合格してくれる浪人生が出てくるふつうの(?)小説って、なかなかないよなぁ(涙)。そう、関係ないけれど、「Jリーグの選手(プロのサッカー選手)」とか「鉄道オタク」とかはいまでもわりと今風(?)かもしれないけれど、「O社の全国模試」(p.109)ってちょっと時代を感じてしまうかな、個人的には。旺文社が模擬試験から撤退したのっていつだっけ? ニュース(新聞だけかな)にもなったよね。作者は……1948年生まれか(ちょっと納得)。あと、「マーチ大学」(p.144)という言葉も使われている。中学生が読むとしたら少し説明が必要であるような。――引用させてもらえば、

 <「ぼくが名古屋にきたのは、名大の医学部じゃなくて、私立の城北大学に入ろうって決心したからなんだ」/「城北大学? でも、あそこは……」/「東大や名大にくらべりゃマーチ大学かもしれないよ。でも、工学部には鉄道機械科があって、全国からほんものの鉄道好きが集まってくる」/(略)>(p.144)

「マーチ大学」という1つの大学があるように読める? というか、私もよく知らないのだけれど、えーと…(間違えそうだな…)、MARCHのMは、明治のM。Aは何? あ、青山学院か。Rは……だめだ、めんどくさっ(涙)。書き忘れていたけれど、少なくとも小説ではお約束な設定、克仁くんの家は医者の家系らしい。
 

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