山本甲士 『ひなた弁当』
2010年5月17日 読書
中央公論新社、2009。隣りの市の市立図書館に行く途中に立ち寄った本屋(チェーン店)で手にとってみて購入。その図書館に着いて本を返してトイレでおしっこをしていたら、入ってきた知らない人(私よりは歳上っぽいおじさん)から「この近くにある本屋を知りませんか?」と訊かれる。「近く」がどれくらいなのか確認してみたものの、ぜんぜん地元ではないので(その図書館を利用することじたい2度目だし)、相手の期待にまったく応えられず、なんていうか、すみません(ここで謝ってもしかたがないか)。帰りにそこからいちばん近いブックオフにも寄る予定で、実際、寄って帰ってくる。ろくなものがゲットできず、探していた岬兄悟『ハートでジャンプ!』(ソノラマ文庫)がほとんど唯一の収穫でした。←どうでもいい話(汗)。※以下、毎度すみません、いちおうネタバレ注意です。
なんていうか、物(や知識)の手渡しに伴うわずかな温かさ、が感じられる小説というか、ささやかな物や情報が自然と他者に伝わっていくことの大切さ、が…というか、――毎度のことだけれど、ぜんぜんうまく言えていない。自分で言いつつ、そんな話だったっけ? と思う(汗)。漫画・アニメの『ドラゴンボール』に“元気玉”という攻撃技が出てくるけれど、同じように(?)草や木、魚などから少しずつ元気をもらって作られたお弁当、というか。でも、悪く言えば、気弱な中年リストラクチャードおじさんの脳内プチファンタジー実現物語というか?(悪く言いすぎか)。私なんて年長フリーターだからぜんぜん他人事とは思わず読んでいたけれどね(涙)。冒頭、芦溝良郎(今年50歳)は会社の親睦野球大会で手がすべってボールを常務の頭に当ててしまう。――小説的にはお話開始の笛(合図)という感じかもしれないけれど、なんていうか“伝達”の失敗にもなっている(主人公は相手に打たせようと思っていた)。公園で飛んできたフリスビーを返し損なうのも同じ。投げるのではなくて手で渡すべし? ――ま、そんなことよりも、とりあえず“お弁当”をちょっと食べてみたくなるよね(?)。あ、でも、私はノビルが苦手です。地元で人と話していると好きだと言う人が多いけれど。というか、私の好き嫌いはどうでもいいですか(汗)。魚関係は食べたことがないどころか、知らないものばかり…、そう、ドングリはちょっと食べてみたいな。
横峰…じゃなくて、芦溝(あしみぞ)パパには、奥さんと2人の娘がいる。奥さん(康世)は昼間、スーパーでパートをしている。上の娘の栄美(えみ)は首都圏の大学に通う大学3年生で、いまは家を出ている。下の娘の真美(まみ)は、浪人生で地元(加江瀬市)の予備校に通っている。――今どきの“父-娘関係”は、でも、こんな感じがふつうなのかな? 最初のへん、家でたまたまお父さんの裸を見てしまったさい、<「うわっ、変態っ」と吐き捨てて>(p.38)いる(笑)。しかも、父親のことを「あんた」呼ばわり…。でも、実はお父さんのことを心配していたりもする心優しい女の子? そう、今のままお弁当を売っているだけでは(奥さんのパートのぶんを合わせても)娘2人ぶんの学費はちょっとつらいよね? あ、お姉ちゃんのほうはあと1年強だし、アルバイトもしているか。ネタバレしてしまうけれど、真美さん(彼氏もいる模様)は最後のほう、浪人生ではなくなっているというか、進路変更をしている。美容師になりたいそうだ。小説的には替わりに(?)高校卒業後、ニート状態だったという少年が、浪人生になっているというか、大学(水産大学)を目指すと語っている。ちなみに描かれているのは、3月から12月くらいまで。
[追記]その後、文庫化される。中公文庫、2011.9。かなり早いよね、丸2年経っていない。
なんていうか、物(や知識)の手渡しに伴うわずかな温かさ、が感じられる小説というか、ささやかな物や情報が自然と他者に伝わっていくことの大切さ、が…というか、――毎度のことだけれど、ぜんぜんうまく言えていない。自分で言いつつ、そんな話だったっけ? と思う(汗)。漫画・アニメの『ドラゴンボール』に“元気玉”という攻撃技が出てくるけれど、同じように(?)草や木、魚などから少しずつ元気をもらって作られたお弁当、というか。でも、悪く言えば、気弱な中年リストラクチャードおじさんの脳内プチファンタジー実現物語というか?(悪く言いすぎか)。私なんて年長フリーターだからぜんぜん他人事とは思わず読んでいたけれどね(涙)。冒頭、芦溝良郎(今年50歳)は会社の親睦野球大会で手がすべってボールを常務の頭に当ててしまう。――小説的にはお話開始の笛(合図)という感じかもしれないけれど、なんていうか“伝達”の失敗にもなっている(主人公は相手に打たせようと思っていた)。公園で飛んできたフリスビーを返し損なうのも同じ。投げるのではなくて手で渡すべし? ――ま、そんなことよりも、とりあえず“お弁当”をちょっと食べてみたくなるよね(?)。あ、でも、私はノビルが苦手です。地元で人と話していると好きだと言う人が多いけれど。というか、私の好き嫌いはどうでもいいですか(汗)。魚関係は食べたことがないどころか、知らないものばかり…、そう、ドングリはちょっと食べてみたいな。
横峰…じゃなくて、芦溝(あしみぞ)パパには、奥さんと2人の娘がいる。奥さん(康世)は昼間、スーパーでパートをしている。上の娘の栄美(えみ)は首都圏の大学に通う大学3年生で、いまは家を出ている。下の娘の真美(まみ)は、浪人生で地元(加江瀬市)の予備校に通っている。――今どきの“父-娘関係”は、でも、こんな感じがふつうなのかな? 最初のへん、家でたまたまお父さんの裸を見てしまったさい、<「うわっ、変態っ」と吐き捨てて>(p.38)いる(笑)。しかも、父親のことを「あんた」呼ばわり…。でも、実はお父さんのことを心配していたりもする心優しい女の子? そう、今のままお弁当を売っているだけでは(奥さんのパートのぶんを合わせても)娘2人ぶんの学費はちょっとつらいよね? あ、お姉ちゃんのほうはあと1年強だし、アルバイトもしているか。ネタバレしてしまうけれど、真美さん(彼氏もいる模様)は最後のほう、浪人生ではなくなっているというか、進路変更をしている。美容師になりたいそうだ。小説的には替わりに(?)高校卒業後、ニート状態だったという少年が、浪人生になっているというか、大学(水産大学)を目指すと語っている。ちなみに描かれているのは、3月から12月くらいまで。
[追記]その後、文庫化される。中公文庫、2011.9。かなり早いよね、丸2年経っていない。
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