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☆英文解釈の参考書が出てくる小説。(随時追加)
2009年3月30日 読書1. 南日恒太郎『英文解釈法』
2. 小野圭次郎『英文の解釈』(※書名がちょっと違うものも)
3. 原仙作『英文標準問題精講』
4. 伊藤和夫『英文解釈教室』
5. そのほか
※山崎貞『新々英文解釈研究』は除いた。
1.
久米正雄「受験生の手記」(『学生時代』)には次のような箇所がある。
<南日の英文解釈法は、たいていの人が少なくとも五回は読み返すというから、もうそろそろ読み始めなければなるまい。去年はあれを一回、それもやっと読んだだけだった。>(旺文社文庫版、p.12)
『英文解釈法』は小説ではないけれど、菊池寛「半自叙伝」にも出てくる。あと、『英文解釈法』ではないけれど、高見順『わが胸の底のここには』には南日の『英文和訳法』がちらっと出てくる(列挙的に『難問分類英文詳解』と『和文英訳法』も)。
2.
小野圭『英文の解釈』が出てくる小説が見つからないけれど(いままでに見かけたことはないけれど)、中野孝次「雪ふる年よ」(『麦熟るる日に』)には次のような箇所がある。
<知識の世界、万巻の書がある世界への渇望が、受験勉強という、極限された、それ自体無意味な知識獲得作業に拘束されていると、ときに耐えがたいほど強烈にぼくを襲った。ああ、こんな岩切の幾何だの小野圭の英語などのくだらない勉強からいっさい解放されて、心ゆくまで読みたい本が読めたら。(略)>(河出文庫、pp.137-8)
「岩切」=岩切晴二。あと、これも自伝的な小説かな、真継伸彦『林檎の下の顔』には次のような箇所がある。
<教室にはちがった人種もいた。学校のゆきかえりには英語の単語カードをくり、自習時間にはふざける仲間を尻目に、英語の「小野圭」や数学の「岩切」や国漢の「保坂」など定評のある受験参考書に眼をこらしている連中である。(略)>(筑摩書房、p.178)
「保坂」=保坂弘司。
3.
原仙『英標』は、列挙的にだけれど、三木卓『柴笛と地図』に出てくるし、同じ作者の『馭者の秋』にもちらっと出てくる(ほかの小説に登場しているかもしれない)。あと、これも参考書列挙的にだけれど、姫野カオルコ『ひと呼んでミツコ』には出てくる。引用しておけば、主人公(大学生)の現役受験のときの話、
<「わたしはね、あなた達のために『英文標準問題精講』のノルマを11ページもロスしたのよ!」>(講談社文庫版、p.22)
4.
伊藤『解釈教室』が出てくる小説は見かけたことがない(別に探しているわけではないけれど)。小説ではないけれど、TVドラマ版『東京大学物語』には出てくるらしい。私は原作(江川達也の漫画)とともに未確認。同名異本だと思うけれど、小説、高畑京一郎『ダブル・キャスト』には『英文解釈教室』という名前の参考書が出てくる。
5.
今後何かあれば。
最終更新:2015/04/07
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