いま手もとにあるのは、講談社文芸文庫『走れトマホーク』(1988、最近買ったばかり2010年5月に復刊されたもの)。9篇中の8篇目。初出は(別の本で調べたところ)『文學界』1970年新年号らしい。私は読んでいないけれど、『私説聊斎志異』(朝日新聞社、1975)というロングバージョンもあるようだ。中国の怪異譚の古典『聊斎志異』の作者・蒲松齢(ほ・しょうれい)は、老齢になっても科挙の試験を受け続けていたらしい。万年落第生。――久しぶりに小説(あまり小説っぽくないエッセイ風なものだけれど)を読んで、ちょっと感動してしまう。「感動」というか、身につまされたというか、ちょっと慰められたように感じたというか、…うまく言えないけれど。でも(?)個人的な話をすれば、“浪人生が出てくる小説”を探し出して読む、というアホな作業を始めて今年で4年目。いま30歳代半ばのおっさん、惰性で続けてはいるものの、もういいかげん限界です(涙)。今年いっぱいでやめたいと思う。

一般に小説に出てくる“万年浪人生”は、もののけ(?)になってしまうよりも、特にミステリ(推理小説)などでは、自滅して、死んでしまうことが多いかな。死なないと浪人生活にピリオドが打てないから? 延江浩「レント・ア・キッス(Rent A Kiss)」(『アタシはジュース』所収)みたいなものは例外かもしれない。2,3読んだことはあるけれど、元多浪生の幽霊というのも、意外と小説には出てこないような?(あ、でも、あまり見かけないのは、私がほとんど非日常系の小説を読んでいないからかな)。
 

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