短篇集『隙間女(幅広)』(電撃文庫、2010)の「第参話」(全5話)。※以下ネタバレ注意です、毎度すみません。

主人公というか語り手は、高校時代に入り浸っていてツケもたまっている、遠縁にあたるおじさん(奥さんが実家に家出中)が経営する喫茶店で、目下、アルバイトをしている(させられている)浪人中の「僕」(=幸太郎、苗字は黒田)。その喫茶店の近くには海水浴場があって、お盆までは1年でいちばん込むらしく、おじさんはもう1人、アルバイトとして雇うことに。そこで登場してくるのが、小石原春(こいしはら・はる)という高校生。「僕」の妹の小学校時代の同級生(ということも早めに判明)で、お互いにいちおう顔見知り。で、なぜか前髪を長く降ろしているその小石原さん=ハルちゃんにはある秘密が……、みたいな話。

ネタバレしてしまうけれど(タイトルがすでにネタバレぎみだけれど)、おデコの口がものを言う、みたいな。言い方を少し気をつけないと、妖怪差別発言(?)になりかねないけれど、個人的にはいまいち萌えない設定というか。人数的にも、ライトノベルって女の子がたくさん出てくるようなイメージがあるけれど、1人とあと口だけ、ってどうよ?(ま、短篇だからしようがないか)。いや、個人的にはどちらかといえば少人数小説のほうが好きだけれど。あと、ライトノベルって(「ライト」なわりに?)文章の密度がけっこう濃いイメージがあるけれど、この小説はけっこう薄め…かな。そういえば、<夏を制する者が、受験を制する>(p.195)という言葉は、なんだか久しぶりに聞いたような。ちょっとノスタルジックな気分。小説を読んでいてもけっこう出てくる文句だけれど。
 

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