双葉社、2010。※以下、ネタバレ注意です。この小説も結局のところ、女性の心理(心の奥底)が描かれている感じ(帯の文句もそんなふうに書かれている)。でも(?)、全体的にけっこう好感が持てる小説だったような。具体的には、目黒刑事の捜査(方法)が丁寧だったりとか。ただ、ストーリー的には、何かもうひとひねりあるのかと思っていたら、そのまま終わっちゃった感じ。文体は粉状にした骨のような、さらさら文体?(それほどでもないか)。改行が多め…なのは、エンタメ系の小説だからしかたがないか。そう、個人的にいまだにピント来ていない、嵐の人気はやっぱりすごいの?
内容というか構成というかは、コンビニでアルバイトをしていた上京苦学予備校生の高村小夜(本名は古森、京都府出身、20歳)が自宅アパートで殺されて、下谷署の刑事=目黒一馬が捜査をしていく3人称パートと、「私」(=吉崎好恵)が自動車事故で亡くなった夫(建築設計事務所の社長)の散骨をしようとしている1人称パートとが、だいたい交互になっている感じ。――この小説も例によって(?)予備校生が殺されたのが3月28日(2009年)という、“浪人生”にとっては微妙な時期…。コンビニの名前は「ニコリマート」。「日暮里(にっぽり)」にあるから「に(っ)こり」? 作中のコンビニ・オーナー(=菊池、たぶん名付けた人)の趣味として、なのかもしれないけれど、私にはこの作者のだじゃれのセンスが、いまいち理解できない(汗)。目黒と相棒の山名刑事とのやりとりとか、最後のほうの<「小夜、さよなら」>(p.317)とか。予備校の名前は「日暮里スタディ」。もともと塾だったようだ(ま、学習塾なら「なんとかスタディ」ってわりとありそう、かな)。バイト代(給料)は、月に14万円前後。……貯金するどころか、予備校の授業料とアパート代と食費など、足りていたのかな? 東京だからアパート代がかなりしそう。しかも、14万円ってコンビニであれば、けっこう働かないとだよね。週にどれくらいの時間? 予備校に通う時間や、家での勉強時間はちゃんと取れていたのか、この人は?
(関係ないけれど、一般論として思うに、とりあえず受験料と入学金だけ調達して、自分のしたいこと(この人の場合は民俗学)ができる、自分の学力・偏差値でできるだけ入りやすい国公立大学(授業料が安いから)を探し出して受けて、さっさと合格して、大学に受かったらすぐさま休学の手続きをしてしまうという手もある。復学したときに受ける講義とかが、同級生たちとずれちゃったりするけれど、休学の間、授業料を払う必要はなくなるから。休学にして、その間アルバイトに専念してお金(授業料)を貯めればいいと思う。(いや、実は私はそうしていたことがある。1年生のときではないけれど、半年休学して力仕事のアルバイトをして、残り半年分の授業料を捻出。私の場合、実家暮らしだったのでお金を貯めるのに半年もかからなかったけれど。)入学金&授業料が貯まらないからといって、2年も3年もアルバイトをしながら浪人していたら、予備校代はもったいないし、ちゃんと継続的に勉強をしていないと習ったことも忘れていくし。なんていうか予備校生だと、大学生よりも社会的な立場も不安定だしね。高校卒業後、できるだけ早く大学に入ってしまったほうが得策かもしれない。…当たり前か。)
そう、生きている浪人生も1人、ちょっとだけ出てくる。第1発見者で、予備校の友達・畑中敦子。お気楽浪人生という感じかな。いままで1浪で、今度2浪(…ということでいい?)。実家は富山で、質屋をやっているらしい(高級マンション住まい、金の心配なし)。この人は、最後のお別れ会(?)には呼ばれていなかったっけ?(呼んであげればよかったのにね)。
[追記]その後、文庫化される(双葉文庫、2013.6)。
内容というか構成というかは、コンビニでアルバイトをしていた上京苦学予備校生の高村小夜(本名は古森、京都府出身、20歳)が自宅アパートで殺されて、下谷署の刑事=目黒一馬が捜査をしていく3人称パートと、「私」(=吉崎好恵)が自動車事故で亡くなった夫(建築設計事務所の社長)の散骨をしようとしている1人称パートとが、だいたい交互になっている感じ。――この小説も例によって(?)予備校生が殺されたのが3月28日(2009年)という、“浪人生”にとっては微妙な時期…。コンビニの名前は「ニコリマート」。「日暮里(にっぽり)」にあるから「に(っ)こり」? 作中のコンビニ・オーナー(=菊池、たぶん名付けた人)の趣味として、なのかもしれないけれど、私にはこの作者のだじゃれのセンスが、いまいち理解できない(汗)。目黒と相棒の山名刑事とのやりとりとか、最後のほうの<「小夜、さよなら」>(p.317)とか。予備校の名前は「日暮里スタディ」。もともと塾だったようだ(ま、学習塾なら「なんとかスタディ」ってわりとありそう、かな)。バイト代(給料)は、月に14万円前後。……貯金するどころか、予備校の授業料とアパート代と食費など、足りていたのかな? 東京だからアパート代がかなりしそう。しかも、14万円ってコンビニであれば、けっこう働かないとだよね。週にどれくらいの時間? 予備校に通う時間や、家での勉強時間はちゃんと取れていたのか、この人は?
(関係ないけれど、一般論として思うに、とりあえず受験料と入学金だけ調達して、自分のしたいこと(この人の場合は民俗学)ができる、自分の学力・偏差値でできるだけ入りやすい国公立大学(授業料が安いから)を探し出して受けて、さっさと合格して、大学に受かったらすぐさま休学の手続きをしてしまうという手もある。復学したときに受ける講義とかが、同級生たちとずれちゃったりするけれど、休学の間、授業料を払う必要はなくなるから。休学にして、その間アルバイトに専念してお金(授業料)を貯めればいいと思う。(いや、実は私はそうしていたことがある。1年生のときではないけれど、半年休学して力仕事のアルバイトをして、残り半年分の授業料を捻出。私の場合、実家暮らしだったのでお金を貯めるのに半年もかからなかったけれど。)入学金&授業料が貯まらないからといって、2年も3年もアルバイトをしながら浪人していたら、予備校代はもったいないし、ちゃんと継続的に勉強をしていないと習ったことも忘れていくし。なんていうか予備校生だと、大学生よりも社会的な立場も不安定だしね。高校卒業後、できるだけ早く大学に入ってしまったほうが得策かもしれない。…当たり前か。)
そう、生きている浪人生も1人、ちょっとだけ出てくる。第1発見者で、予備校の友達・畑中敦子。お気楽浪人生という感じかな。いままで1浪で、今度2浪(…ということでいい?)。実家は富山で、質屋をやっているらしい(高級マンション住まい、金の心配なし)。この人は、最後のお別れ会(?)には呼ばれていなかったっけ?(呼んであげればよかったのにね)。
[追記]その後、文庫化される(双葉文庫、2013.6)。
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