朝倉かすみ 「みんな嘘なんじゃないのか」
2010年10月11日 読書
『声出していこう』(光文社、2010)の「第三章」(全6章)。この作者の小説は以前1冊読んだことがあって、それが面白かったので、ちょっと期待していたのだけれど(ハードルを上げてしまったせいか)この連作短篇集は、それほど面白くは感じなかったです。あと、昔はそうでもなかったけれど、最近(といってもだいぶ前から)広い意味で「意識の流れ」というか、登場人物の頭の中身が中心となっているような小説がどうも苦手になっていて…。主人公がもっとあれこれ動いてくれないと、頭に意味が入ってこない(←小学生レベルの頭ん中?)。ほかには、連作としての意外性(人と人とのつながりなど)も、もっと何かサプライズがあるのかと思っていたら、それほどでもなくて。うーん…。
帯の<うだつよ、上がれ!>という文句がちょっとぐっとくる(汗)。2008年10月20日、札幌市内の地下鉄の駅(イトーヨーカドーがあったり)で、刃物による無差別切りつけ事件が発生。犯人は捕まっていない。6篇とも、視点人物となっているのは、その駅やその隣の駅の近くで暮らしたり、働いたり(アルバイトやパートをしたり)学校に通ったりしている人たち。下は中学生から、上は50歳のドラッグストア店員まで計6人。――で、みんなうだつが上がっていないというか、要するにダサい(汗)。ダサさに関してはぜんぜん人のことが言えないので、(他人事として笑いつつも)だいぶ身につまされてしまったです。(このブログもそっくり削除してしまいたい気分になるけれど、まだしばらくは我慢しよう(汗)。)
3篇目(=「みんな嘘なんじゃないのか」)の主人公は、いちおう浪人生、最上幹基(もがみ・みきもと)・20歳。いちおう北大の法学部志望で、将来の“夢”は弁護士になること。でも、偏差値は40弱(北大は無謀すぎる…)。昨年は予備校に通っていて、今年は自宅浪人。ちょっとネタバレしてしまうけれど、家は商店街にあるラーメン屋で、母親が腰を悪くしてから(いまは12月で、10月から)アルバイトとしてその店を手伝っている。彼女はいないけれど、41歳のドラッグストア店員=裕子といちおう交際している。そう、最後――これもネタバレになっちゃうか――幹基くんが思い至った(思いついた)、2回りも歳上の裕子が自分のような人と付き合っている理由(もちろん本当かどうかは不明)が、ちょっと面白いというか。(ま、でも、これは推理小説によくある“疑わしきは浪人生”の変形ヴァージョンかな。)
ちなみに5篇目=「第五章 大きくなったら」の主人公(46歳)も昔、浪人している。3浪しても希望どおり大学には合格できず、就職。
[追記]その後、文庫化。光文社文庫、2013.8。
帯の<うだつよ、上がれ!>という文句がちょっとぐっとくる(汗)。2008年10月20日、札幌市内の地下鉄の駅(イトーヨーカドーがあったり)で、刃物による無差別切りつけ事件が発生。犯人は捕まっていない。6篇とも、視点人物となっているのは、その駅やその隣の駅の近くで暮らしたり、働いたり(アルバイトやパートをしたり)学校に通ったりしている人たち。下は中学生から、上は50歳のドラッグストア店員まで計6人。――で、みんなうだつが上がっていないというか、要するにダサい(汗)。ダサさに関してはぜんぜん人のことが言えないので、(他人事として笑いつつも)だいぶ身につまされてしまったです。(このブログもそっくり削除してしまいたい気分になるけれど、まだしばらくは我慢しよう(汗)。)
3篇目(=「みんな嘘なんじゃないのか」)の主人公は、いちおう浪人生、最上幹基(もがみ・みきもと)・20歳。いちおう北大の法学部志望で、将来の“夢”は弁護士になること。でも、偏差値は40弱(北大は無謀すぎる…)。昨年は予備校に通っていて、今年は自宅浪人。ちょっとネタバレしてしまうけれど、家は商店街にあるラーメン屋で、母親が腰を悪くしてから(いまは12月で、10月から)アルバイトとしてその店を手伝っている。彼女はいないけれど、41歳のドラッグストア店員=裕子といちおう交際している。そう、最後――これもネタバレになっちゃうか――幹基くんが思い至った(思いついた)、2回りも歳上の裕子が自分のような人と付き合っている理由(もちろん本当かどうかは不明)が、ちょっと面白いというか。(ま、でも、これは推理小説によくある“疑わしきは浪人生”の変形ヴァージョンかな。)
ちなみに5篇目=「第五章 大きくなったら」の主人公(46歳)も昔、浪人している。3浪しても希望どおり大学には合格できず、就職。
[追記]その後、文庫化。光文社文庫、2013.8。
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