岬兄悟 「夢メビウス」
2010年11月15日 読書
“夢”がテーマになっている連作集『夢幻漂流者』(「ナイト・ウォーカーズ」という副題、徳間文庫パステルシリーズ、1990)所収、全5篇中の5篇目。本の後ろのほうによれば、この1篇の初出は『SFアドベンチャー』1990年5月号であるらしい。――読んでいてわりとすぐに思ったのは、別に「メビウス」(の輪)でなくても、たんなる円でいいのではないか、みたいなこと。ま、でも、夢と現実が地続きになっていたり…、ということでたんなる円よりは、イメージ的に合っているのかな。
というか、その前に「メビウスの輪」ってみなさん(?)知ってます? 意外と知らない人は知らないかと思うのだけれど、えーと…(文系アタマの私が説明していいんだろうか(汗))、帯状のものというか、何か細長い長方形のもの(紙など)の片端をひとひねり=半回転(180度回転)させて、もう一方の端とくっつけてできたものが、それ。ぱっと見、ねじれている…かな。表側の面を指でなぞっていくといつのまにか裏側に、裏側をなぞっていくといつのまにか表側に…みたいな性質や、この小説とは関係がないけれど、帯の真ん中を(紙製のものなら)カッターとかで切って輪っかを2つにすると、バラバラにならずにつながったまま(鎖状)になる、みたいな性質もある。
昔、何かに哲学者の中島義道が「時間」をテーマにした絵画を見ると雰囲気的なもの(?)が多くてがっかりする、みたいなことを書いていた覚え(だいぶうろ覚え)があるけれど、「時間」ではなく「数学」的な概念にしても(絵ではなくて小説にしても)なんていうか、逆にあまり難しいことを言われても(個人的には)理解できなくて困るけれど、全体的にもうちょっとどうにかならんのか? とは思わなくもない。いいかげんなものが多すぎるよね?(そうでもないかな…)。個人的に「幻想~」とか「ホラー~」とか形容される小説が苦手だから、そう思うのかな?(話が飛躍しているな…)。あ、思い出した、“メビウスの輪っかもの”、「輪」が大きすぎるけれど、森博嗣『捻れ屋敷の利鈍 The Riddle in Torsional Nest』(講談社ノベルス、2002/講談社文庫、2005)はちゃんとしていて(?)お薦めです(あ、シリーズものの1巻なので、これだけいきなり読んでもさしさわりがあるかもしれない。ネタバレとか)。
2浪目に入った「ぼく」(=喜久男)が予備校(本人曰く「二流予備校」@東京)の手続きを終えて、駅へと向かう途中、謎の女性を見かける。追いかけても、追いつけない。それから何日も追いかけてみるけれど、やっぱり追いつけない。でも、工夫をして(?)ついに出会えるのだけれど、それからはめくるめく性的な生活(?)が――。“浪人生小説”(そんなジャンルはないけれど)として注目すべき点は、要するに“繰り返し”、“ループ感”かな。一般に(?)浪人生、特に2浪以上の人は、勉強など、前年と同じことを繰り返さなければいけないから。来年100%受かるという保証もないまま、来年も今年と同じように落ちるのではないかという不安を抱えて…。文脈を説明しないといけないかもしれないけれど(省略して言っておけば)、作中で<永遠に浪人生>、<永遠の受験浪人>という言葉が使われている(p.244, p.248)。
(ちなみに、浪人&夢魔つながりでは、綾辻行人「夢魔の手」(『フリークス』)という小説もあったっけ。病院が舞台になっていたこと以外、何も思い出せないけれど(汗)。)
というか、その前に「メビウスの輪」ってみなさん(?)知ってます? 意外と知らない人は知らないかと思うのだけれど、えーと…(文系アタマの私が説明していいんだろうか(汗))、帯状のものというか、何か細長い長方形のもの(紙など)の片端をひとひねり=半回転(180度回転)させて、もう一方の端とくっつけてできたものが、それ。ぱっと見、ねじれている…かな。表側の面を指でなぞっていくといつのまにか裏側に、裏側をなぞっていくといつのまにか表側に…みたいな性質や、この小説とは関係がないけれど、帯の真ん中を(紙製のものなら)カッターとかで切って輪っかを2つにすると、バラバラにならずにつながったまま(鎖状)になる、みたいな性質もある。
昔、何かに哲学者の中島義道が「時間」をテーマにした絵画を見ると雰囲気的なもの(?)が多くてがっかりする、みたいなことを書いていた覚え(だいぶうろ覚え)があるけれど、「時間」ではなく「数学」的な概念にしても(絵ではなくて小説にしても)なんていうか、逆にあまり難しいことを言われても(個人的には)理解できなくて困るけれど、全体的にもうちょっとどうにかならんのか? とは思わなくもない。いいかげんなものが多すぎるよね?(そうでもないかな…)。個人的に「幻想~」とか「ホラー~」とか形容される小説が苦手だから、そう思うのかな?(話が飛躍しているな…)。あ、思い出した、“メビウスの輪っかもの”、「輪」が大きすぎるけれど、森博嗣『捻れ屋敷の利鈍 The Riddle in Torsional Nest』(講談社ノベルス、2002/講談社文庫、2005)はちゃんとしていて(?)お薦めです(あ、シリーズものの1巻なので、これだけいきなり読んでもさしさわりがあるかもしれない。ネタバレとか)。
2浪目に入った「ぼく」(=喜久男)が予備校(本人曰く「二流予備校」@東京)の手続きを終えて、駅へと向かう途中、謎の女性を見かける。追いかけても、追いつけない。それから何日も追いかけてみるけれど、やっぱり追いつけない。でも、工夫をして(?)ついに出会えるのだけれど、それからはめくるめく性的な生活(?)が――。“浪人生小説”(そんなジャンルはないけれど)として注目すべき点は、要するに“繰り返し”、“ループ感”かな。一般に(?)浪人生、特に2浪以上の人は、勉強など、前年と同じことを繰り返さなければいけないから。来年100%受かるという保証もないまま、来年も今年と同じように落ちるのではないかという不安を抱えて…。文脈を説明しないといけないかもしれないけれど(省略して言っておけば)、作中で<永遠に浪人生>、<永遠の受験浪人>という言葉が使われている(p.244, p.248)。
(ちなみに、浪人&夢魔つながりでは、綾辻行人「夢魔の手」(『フリークス』)という小説もあったっけ。病院が舞台になっていたこと以外、何も思い出せないけれど(汗)。)
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