高橋源一郎 「キムラサクヤの「秘かな欲望」、マツシマナナヨの「秘かな願望」」
2010年11月16日 読書
『性交と恋愛にまつわるいくつかの物語』(朝日新聞社、2005/朝日文庫、2010)の最初に収録されているいちばん長い一篇。「いくつか」というのは収録作数でいえば5つ。久しぶりにこの作者の小説を読んだけれど、あいかわらずこんなような小説を書いていたんだね。あいかわらず読んでいて(かなり読みやすいけれど)いらいらするし、面白くないし…。ま、あれこれと考えさせられはしたけれど。でも、あれこれ考えても自分(もてないです、もちろん)の人生、あるいは世界平和(?)にとって何の役にも立たないだろう、と思う。
<日本一「もてない男」は、時には有名大学を、時にはスターになることを目指し、女にもてる道を模索する。そして「JJ」をこよなく愛し、性交経験3回の「もてない女」と出会ってしまう。ふたりの欲望の果てに何がある? 性交についてぐるぐる考えてしまうユーモアたっぷりの物語。>(文庫カバーより)
高橋源一郎版『1Q84』? ――ぜんぜん違うか(汗)。小説(あるいは創作された物語全般において)最後に第3者が出てきて上から目線(?)で……みたいな解決方法(解決になっていないけれど)を私は認めたくない。それならまだ地震とか台風とか何か激しい自然現象でも起こったほうがまし。――それはともかくちょっと思ったのは、AVに出演しようとするよりも、お笑い芸人を目指して専門学校(養成所)に入学するとかすればいいのにな、ということ。いまお笑い芸人、男女ともすごくもてそうだよね。ま、もてるまで行かなくてもすごく愛されそうだし。TVにたくさん出れるほど売れなくても、身体的な特徴(コンプレックスな部分)とかを笑いに変えられそうだし、自分の身近な人に笑ってもらえるだけでも、それは一種の“救い”になるのではないか。あ、それだけでは「性交」が困るか。しばらくは(売れるまでは)先輩芸人から安くていいお店でも紹介してもらえばいいのでは? ←かなりテキトーなことを言っています、すみません。
本題というか。神奈川県の県立高校卒・キムサクくん(本名スズキイチロー)の大学受験に関しては、こんな感じ。
<その年(東大に二年連続して落第した次の年)、キムラサクヤは、慶応にも青山学院にも合格しなかった。その翌年、キムラサクヤは、慶応と青山学院の他に、都内のおよそ十の私立大学を受験した。だが、キムラサクヤを受け入れてくれる大学は存在しなかった。さらに、翌年、大学受験をはじめて五年目に、ようやく、キムラサクヤは、埼玉県のある私立大学に合格した。/そこは、願書を提出し、日本語を理解することさえできれば、よほどのことがない限り、誰でも合格できる大学であった。>(p.24)
なかなか塁に出れないイチローくん、やっとセーフティバントで……つまらない比喩はやめておこう(汗)。最後に入れた大学にはすぐ幻滅して(?)中退。そもそも現役受験のときには担任教師から、東大は絶対無理、という意味合いの太鼓判を押されている。――ところで、東大に入れればもてるのかな? 『もてない男』の小谷野敦(1浪、東大卒)はなんて言っていたっけ?(忘れちゃったよ)。恋愛にかぎらず“こんなはずじゃなかった灰色の東大生生活小説”みたいな小説も、探せばたくさんありそうだけれど。
<日本一「もてない男」は、時には有名大学を、時にはスターになることを目指し、女にもてる道を模索する。そして「JJ」をこよなく愛し、性交経験3回の「もてない女」と出会ってしまう。ふたりの欲望の果てに何がある? 性交についてぐるぐる考えてしまうユーモアたっぷりの物語。>(文庫カバーより)
高橋源一郎版『1Q84』? ――ぜんぜん違うか(汗)。小説(あるいは創作された物語全般において)最後に第3者が出てきて上から目線(?)で……みたいな解決方法(解決になっていないけれど)を私は認めたくない。それならまだ地震とか台風とか何か激しい自然現象でも起こったほうがまし。――それはともかくちょっと思ったのは、AVに出演しようとするよりも、お笑い芸人を目指して専門学校(養成所)に入学するとかすればいいのにな、ということ。いまお笑い芸人、男女ともすごくもてそうだよね。ま、もてるまで行かなくてもすごく愛されそうだし。TVにたくさん出れるほど売れなくても、身体的な特徴(コンプレックスな部分)とかを笑いに変えられそうだし、自分の身近な人に笑ってもらえるだけでも、それは一種の“救い”になるのではないか。あ、それだけでは「性交」が困るか。しばらくは(売れるまでは)先輩芸人から安くていいお店でも紹介してもらえばいいのでは? ←かなりテキトーなことを言っています、すみません。
本題というか。神奈川県の県立高校卒・キムサクくん(本名スズキイチロー)の大学受験に関しては、こんな感じ。
<その年(東大に二年連続して落第した次の年)、キムラサクヤは、慶応にも青山学院にも合格しなかった。その翌年、キムラサクヤは、慶応と青山学院の他に、都内のおよそ十の私立大学を受験した。だが、キムラサクヤを受け入れてくれる大学は存在しなかった。さらに、翌年、大学受験をはじめて五年目に、ようやく、キムラサクヤは、埼玉県のある私立大学に合格した。/そこは、願書を提出し、日本語を理解することさえできれば、よほどのことがない限り、誰でも合格できる大学であった。>(p.24)
なかなか塁に出れないイチローくん、やっとセーフティバントで……つまらない比喩はやめておこう(汗)。最後に入れた大学にはすぐ幻滅して(?)中退。そもそも現役受験のときには担任教師から、東大は絶対無理、という意味合いの太鼓判を押されている。――ところで、東大に入れればもてるのかな? 『もてない男』の小谷野敦(1浪、東大卒)はなんて言っていたっけ?(忘れちゃったよ)。恋愛にかぎらず“こんなはずじゃなかった灰色の東大生生活小説”みたいな小説も、探せばたくさんありそうだけれど。
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