ハルキ・ノベルス、2002。長さ的には短篇というより掌篇かな、連作短篇集(全18話)。※以下いちおうネタバレ注意です。毎度すみません。感想というかは、私はこの作者とは笑いのツボが違うのかもしれない、ぜんぜん面白くなかったです(涙)。この小説にかぎらず、読んでつまらなかった小説に関しては、いつも何がいちばん言いたいか、といえば(読むのがとても遅い自分)、とにかく「読み終わった!」ということがいちばん言いたい(汗)。

 <髪形といい服装といい、ひと昔前のマンガが描く浪人生そのもの>(p.12・上段)

それで、≪名探偵Z≫こと乙名探偵(おとな・とるただ)は結局のところ、何者なの? 最後まで読んでもわからんかったよ(涙)。見かけだけが浪人生? 「第一話」以降も、事件の起こった「第一話」の家で暮らしているの? 表紙(カバー)と目次の下に主な登場人物のイラストが載っているのだけれど、乙名くんは、学生服を着ている(眼鏡はなし)。――『キテレツ大百科』な勉三さんもそうだけれど、浪人生が学生服を着ているのって、実際には(歴史的には)いつくらいまで? なんとなく昭和30年代前半くらいまでな勝手なイメージがあるのだけれど。個人的には。←「ひと昔前」の「ひと昔」ってどれくらい? みたいな話です。

もう少し感想を書いておこ。そう、最初から読んでいくと、表紙イラストでいちばん大きな≪少女怪盗Ψ(プシー)≫、が登場するまでがかなり長くない?(まぁいいか、ライトノベルじゃないんだし)。ほかには、えーと、Q市というところが舞台になっているのだけれど、全体的に(全話通じて)大学関係者とか資産家(の家)とか、あと(元)女優とかが出てくることが多かったかな。大学がらみの多さに関しては、なんていうか“SFオチ”というか“特撮オチ”みたいなものも多かったからかな。そう、あいかわらず推理小説(ミステリ)の血中濃度がかなり低いわたし、「第三話 26人消失す」を読んで(ネタバレになっちゃうかもしれないけれど)思い出したのは、森博嗣「ぶるぶる人形にうってつけの夜」(『今夜はパラシュート博物館へ』)でした。だからなんだ? と言われても困るけれど(汗)。

ちなみに後ろの「あとがき――あるいは好事家のためのノート」を読むと、作者には<予備校時代>(p.255)があったようだ。表紙カバーの折り返しのところには、<82年同志社大学卒>とある。(最近わりと使っているのだけれど)『日本ミステリー事典』(権田萬治・新保博久監修、新潮選書、2000)をカンニングすれば、1958年(の5月、大阪市)生まれとのことで、計算すれば――1浪ということでいいのかな? 
 

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