“50”が共通のお題になっているアンソロジー『Anniversary 50 カッパ・ノベルス創刊50周年記念作品』(カッパ・ノベルス、2009)に収録されている一篇。作者名・50音順に並べられていて、この一篇は4篇目(全9篇)。内容というかは、京大志望の予備校生である「ぼく」が、京都大学近くの「進々堂」で海外放浪帰りの御手洗さんから旅先での話をよく聞かせてもらっている、みたいな外枠があって。いまの季節は秋、今回(?)のお話の舞台はイギリス、知的障害をもつギャリーという青年(重量挙げの選手)についてのエピソードが御手洗さんから語られる。――ちょっとネタバレしてしまうけれど(※以下注意です、すみません)、地震が起こって丸く収まってしまう……みたいな展開は、けっこう既視感があった(何か昔のTVドラマとかアニメとかでよくあったパターン? …違うか)。というか、そういえばミステリ(推理小説)だと思って読み始めたのだけれど、結局ミステリではなかったな(定義がよくわからないけれど)。ヴォランティアや障害者差別の問題が描かれていて(ミステリではなくても)いわゆる社会派?

たぶん連作中の一篇で、読んでいるとすでに“アメリカ編”がありそうな感じがするのだけれど、どこかで(何かで)読めるのかな?(見つからないな…)。あと、本題というか、浪人生の「ぼく」に関しては――小説に東大浪人ではなく京大浪人が出てくることはわりと珍しいと思う――、御手洗さんの話は、<受験相談なんかよりずっと身になった>(pp.142-3)と言っていて、世界一周ぶんの話を聞かされた暁には、受験勉強なんて放り出して、お師匠(?)と似たような放浪の旅に出発してしまいそう? ちなみに作中年は――これもネタバレになってしまうかもしれないけれど、モントリオール五輪が再来年、と言っているから(検索しないとわからないや(汗))えーと…、1974年でいい?(あ、昭和50年ではなくて昭和49年だね)。
 

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