「Long Long Ago」という副題のようなものが付いている『再会』(新潮社、2009)所収、6篇中の3篇目。※以下、いつものようにネタバレ注意です。小学校教師の「私」。学校ではバスケ部で名コンビだった小島くんと石川くんが、石川くんが中学受験をするということで仲が悪くなってしまう。一方、「私」には先天的な病気を抱えている弟のユウちゃん(「私」と同じく団地育ち、団地暮らし)がいて、今度、勤めている作業所の社長の娘さんと結婚することに。で、ユウちゃん側のキーパーソンが現在2浪中の、受験が間近に迫っている予備校生(第1志望は京都の大学、法学部志望)なわけだけれど、それはともかく。なんていうか悪く言えない小説だろうし、“泣ける小説”だとは思うけれど、「私」のキャラクター(性格設定)が個人的にはちょっと…。守る人がいて強くなったり(たくましくなったり)するのは、いいと思うけれど、強さ(たくましさ)とずうずうしさはちょっと違うよね? 小学校教師の児童に対する態度・対応も、実際問題、この小説に描かれている感じでいいのかな? 人探しの方法にしても(推理小説ではないことはわかっているけれど)もっと賢い方法があったんじゃないか? うーん…。でも、いずれにしても、私の完全な負け(?)だと思う。重松清には勝てない。

[追記]上の単行本はその後、『ロング・ロング・アゴー』と改題されて文庫化(新潮文庫、2012.7)。
 

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