睦月影郎 「かくて青春は還りぬ」
2011年3月23日 読書
『全身官能小説家 睦月影郎読本』(ローレンスムック(綜合図書)、2011)所収。<二十二歳の頃に、集英社「小説ジュニア」に投稿したもの>だそうだ(p.114)。内容は、2浪の受験生である「俺」(=堀口義雄)の夢の中に謎の老人が現れて、おぬしは5年後の明日(9月9日)に死ぬ予定だったのだけれど、手違いで明日死ぬことになった、でも(25年という)寿命は変更できないので、15歳~20歳までをもう一度繰り返してもらう、みたいなことを言われて、高校時代をもう一度繰り返すことになる、みたいな話。作者は、同じ本(ムック)に収録されている年譜によれば、1956年の早生まれで、22歳のころというのは、1978年になるようだけれど、作中で戻った先の年(=5年前、15歳・高校1年)が、1983年になっている(なんでだろう、1973年ならわかるけれど)。もとの記憶は100%残っているようだし、大学受験に関しては(もう一度受験するのであれば)、現役受験までにあと2年半近くも勉強できるのだから、かなり楽勝…なのではないかと思うけれど、そううまくは行かないようだ。<次第に一度目の記憶も薄れ、勉強は元通りさっぱりとなり、二年、三年と進級する毎に一度目と殆ど変わらぬ生活となった>とのこと(p.128)。で、また2浪している。ちなみに(先に触れた年譜によれば)作者じしんも2浪しているようだ(宅浪&アルバイト、入った大学は東海大学で、中退)。どうでもいいけれど、もしこの小説が『小説ジュニア』に掲載されていたら、そのあと、睦月氏は“コバルト作家”になっていたかも? あ、そういえば、この前(といってもけっこう前か)、乾くるみ『林真紅郎と五つの謎』という小説を読んでいたら、よく覚えていないけれど、「睦月影郎かよ!」みたいな箇所があって。ま、好きで読んでいる人は多いかもね、この人の作品。
※パソコンは電気を食うよね…。節電したいので(ここは東京電力の電力供給圏内です)、今後しばらく短めな“イッキ書き”で。
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