もう2巻目が出ているけれど(2011年3月現在)、とりあえず1巻目(電撃文庫、2010)。ひと言でいえば、“大学新入生恋愛青春もの”? ――友達できるかな、とか、授業のこととか、サークルはどこにしようかとか、期待と不安とが入り混じった、そんな春先いまごろ季節がらちょうどいい小説かと思って。本日の1冊。個人的には文体というか作者(ゆゆこ32歳児!)のノリにいまいちついて行けなかったけれど、登場人物たちが、まじめなことも冗談交じりにしか言えなかったり、他人に対してすごく気をつかっていたり、……こういう大学生たちがいま風なのかな? あ、新生活&人間関係だけでなく、記憶というか個人的アイデンティティな問題(?)も描かれている。※以下、ネタバレ注意です。

この大学には「叙述トリックオンリーミステリー研究会」があるらしいよ(p.50)。――限定しすぎ!(笑)。トリックがあるのやらないのやら、語り手と視点人物が乖離している(ちょっと乃南アサ『あなた』を思い出す)。「迷路研究会」もあるらしいけれど、静岡から上京してひとり暮らしな多田万里19歳(1浪、実は高校卒業後に記憶喪失)は、道には迷っても人生の迷子(?)になることもなく、早々に柳澤光央という同級生友達ができ、さらにその“やなっさん”を追いかけ回している美人で高飛車、しかも不器用(という既視感満点キャラ)な加賀香子のことを好きになったり、……やっぱり恋愛小説なのか、これは。やなっさんは、サークルつながり(だっけ?)な岡千波のことが好きで、ほかには万里がピンチのさいに現れる(?)リンダこと林田奈々(1年先輩)がいたりする。あ、ピンチといえば、この第1巻は、万里&香子による“サークルもどきめぐり”(=地獄めぐり?)みたいなことに。そのたび、だんだんと仲を深めていく感じ。

サークルもどきには、ダンス&ミュージック多し? 名前は「ただ」「かが」「こ(う)こ」「なな」、作者は「ゆゆ(こ)」、もう1人の「NANA」も登場(笑)。ダブっている音的に“分身”“分裂”の雰囲気がひしひしと伝わって――こないか(汗)。時を告げるお色気な鐘を鳴らすのは、「あなた」でも和田でもなく、金田(かなだ)だそうで、それが鳴るなか、万里の長城ならぬ万里たちの走る長い橋(木製)の上で“時間”がねじけている。ま、あれだ、「幽霊の正体見たり自分自身」(by柴田元幸)ってやつやね?(違うか)。そう、今後、霊感が強い人でも登場してこないと、幽霊もどきくんが話し相手がいなくてちょっとかわいそう。

私はどん兵衛は、そば派です(どうでもいいですかそうですか)。お湯を注ぐだけのお茶(緑茶)っていいな、うちの近所のスーパーとかでも売っているかな? 今度行ったときにでも見てみよう。「カフェオレボウル」なるこじゃれたものは、この田舎ではとてもお目にかかれないんじゃないか(あっても男性1人では店に入りにくそう(涙))。ほかには……この本を読んでいたときのメモを見てみると、なぜか、

  女房と畳は新しいほうがいい
  目に青葉 山ほととぎす 初ガツオ

とか書いてある(過去の自分が意味不明)。
 

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