源氏鶏太 『緑に匂う花』
2011年11月16日 読書
講談社文庫から出ているようなので、地元ブッ○オフなどで探してみたものの、結局、見つからず。いま手もとにあるのは図書館から借りてきた(検索したら1冊しか出てこなかった)講談社のRoman Books(ロマンブックス)という新書サイズのもの(1957年)。単行本情報などはまったく書かれていない。というか、読んでみたものの、浪人生はぜんぜん出てこなかったです(涙)。何かほかの小説と間違えたっぽいな…。ま、でも、けっこう面白かったからよかったけれど。あ、弟の五郎は(家族ともども)大学進学を希望している高校生なので、いちおう「受験生」と言えるかも(17歳だっけ? 何年生?)。
深刻な問題はいくつか起こっているけれど、全体的にけっこうほのぼの小説だったかもしれない。そう思ってしまうのは、やっぱりすさんでいる(?)いまのご時世に読んでいるからかな?(うーん…)。主人公というかは、桑野蕗子(ふきこ)・22歳。両親と弟と5人で高円寺(2階建ての借家)で暮らしていて、丸の内(東京駅)の会社に勤めている。いいお年ごろ(?)なので、会社にいる同僚やら、三郎兄さんの同僚やらから言い寄られたり、夫の転勤で北海道にいる伸子姉さんが送り込んでくる良平さん(桑野家で一緒に暮らすことに)に心惹かれたり…。蕗子には、結婚している太郎、次郎、三郎の3人の兄がいて(本当はもう1人=四郎がいたけれど、戦死している)たまたま3夫婦とも、わりと近くに暮らしていて(東京のことはほとんど知らないけれど、この小説も“中央線沿線小説”?)、結婚というものを考えた場合、蕗子にとって良くも悪くも、モデルケースになっている。あ、忘れていた、もう1人の姉・律子姉さんの夫婦も、近くに暮らしている。太郎兄さんには“かくし女”がいるし、次郎兄さんは売れない画家だし、…細かいことはいいか。一方、お父さん(58歳だっけ?)の嘱託の契約が数ヶ月後には切れてしまうので(定年は3年前に迎えている)、そのあと両親(と五郎)の面倒は誰がどうするのか、みたいな問題(?)も発生している。子どもがたくさんいるのにな――とは読んでいるこちらも思ったけれど、なかなかするっとは解決しない問題なようだ。そう、このお母さん、子どもを8人も産んでいるんだよね。でも、当時としては「多い」というほどでもなかったのか…。あ、この前読んだ井伏鱒二『貸間あり』の主人公(=ユミ子)は、空襲によって母親と弟が行方不明で、戦後、東京で身寄りがない状態だし、…まぁ人それぞれ、家族それぞれかもしれないけれど、でも、この桑野家はわりと恵まれているほう?
今日もぜんぜん感想を書いていないな…。誰でも思うかもしれないけれど、蕗子さんが自転車に乗りながら歌っている“自転車の歌”が、やっぱりすごくよかったな…。歌というか、歌っている場面が。そう、作中の時代はいつくらい? 昭和30年前後くらいか(「前後」ではなくて「前」=まだ昭和20年代かな)。弟が通っているのが「高校」ではなくて「新制高校」。学制改革って何年だっけ? これ、調べてもすぐに忘れちゃうんだよな、年号が暗記できない(涙)。1947年とか48年とか、そのへんだっけ? あと、蕗子の会社での様子を読んでいると、いまほど仕事とプライベートは分けなくてもいいんじゃないか、とか思えてくる(ひるがえっていえば、現代社会はやっぱり殺伐としている?)。関係ないけれど、本の後ろに「ロマンブックス総目録」という既刊書の広告(リスト)が載っていて(手もとにある図書館本は第1刷ではなくて<昭和49年4月30日 第30刷発行>だから、昭和49年=1974年以前のもの?)、それを見ると、源氏鶏太のものは40冊以上(!)も出ている(えーと、最後が「AS」だから、…40冊以上でいいんだよね。1つずつ数える気がしない(汗)。A~Z, AA~AS)。かなり売れていたのかもしれない。文庫でいえば、講談社文庫以外にも、角川文庫や集英社文庫からもけっこう出ているよね? ときどき古本屋で見かける感じでは。(ぜんぜん関係ないけれど、同じリストには、遠藤周作の『一、ニ、三!』や『灯のうるむ頃』、大谷洋太郎『殺意の演奏』の名前も見られる。新書判でも出ていたのか、知らなかった。)
深刻な問題はいくつか起こっているけれど、全体的にけっこうほのぼの小説だったかもしれない。そう思ってしまうのは、やっぱりすさんでいる(?)いまのご時世に読んでいるからかな?(うーん…)。主人公というかは、桑野蕗子(ふきこ)・22歳。両親と弟と5人で高円寺(2階建ての借家)で暮らしていて、丸の内(東京駅)の会社に勤めている。いいお年ごろ(?)なので、会社にいる同僚やら、三郎兄さんの同僚やらから言い寄られたり、夫の転勤で北海道にいる伸子姉さんが送り込んでくる良平さん(桑野家で一緒に暮らすことに)に心惹かれたり…。蕗子には、結婚している太郎、次郎、三郎の3人の兄がいて(本当はもう1人=四郎がいたけれど、戦死している)たまたま3夫婦とも、わりと近くに暮らしていて(東京のことはほとんど知らないけれど、この小説も“中央線沿線小説”?)、結婚というものを考えた場合、蕗子にとって良くも悪くも、モデルケースになっている。あ、忘れていた、もう1人の姉・律子姉さんの夫婦も、近くに暮らしている。太郎兄さんには“かくし女”がいるし、次郎兄さんは売れない画家だし、…細かいことはいいか。一方、お父さん(58歳だっけ?)の嘱託の契約が数ヶ月後には切れてしまうので(定年は3年前に迎えている)、そのあと両親(と五郎)の面倒は誰がどうするのか、みたいな問題(?)も発生している。子どもがたくさんいるのにな――とは読んでいるこちらも思ったけれど、なかなかするっとは解決しない問題なようだ。そう、このお母さん、子どもを8人も産んでいるんだよね。でも、当時としては「多い」というほどでもなかったのか…。あ、この前読んだ井伏鱒二『貸間あり』の主人公(=ユミ子)は、空襲によって母親と弟が行方不明で、戦後、東京で身寄りがない状態だし、…まぁ人それぞれ、家族それぞれかもしれないけれど、でも、この桑野家はわりと恵まれているほう?
今日もぜんぜん感想を書いていないな…。誰でも思うかもしれないけれど、蕗子さんが自転車に乗りながら歌っている“自転車の歌”が、やっぱりすごくよかったな…。歌というか、歌っている場面が。そう、作中の時代はいつくらい? 昭和30年前後くらいか(「前後」ではなくて「前」=まだ昭和20年代かな)。弟が通っているのが「高校」ではなくて「新制高校」。学制改革って何年だっけ? これ、調べてもすぐに忘れちゃうんだよな、年号が暗記できない(涙)。1947年とか48年とか、そのへんだっけ? あと、蕗子の会社での様子を読んでいると、いまほど仕事とプライベートは分けなくてもいいんじゃないか、とか思えてくる(ひるがえっていえば、現代社会はやっぱり殺伐としている?)。関係ないけれど、本の後ろに「ロマンブックス総目録」という既刊書の広告(リスト)が載っていて(手もとにある図書館本は第1刷ではなくて<昭和49年4月30日 第30刷発行>だから、昭和49年=1974年以前のもの?)、それを見ると、源氏鶏太のものは40冊以上(!)も出ている(えーと、最後が「AS」だから、…40冊以上でいいんだよね。1つずつ数える気がしない(汗)。A~Z, AA~AS)。かなり売れていたのかもしれない。文庫でいえば、講談社文庫以外にも、角川文庫や集英社文庫からもけっこう出ているよね? ときどき古本屋で見かける感じでは。(ぜんぜん関係ないけれど、同じリストには、遠藤周作の『一、ニ、三!』や『灯のうるむ頃』、大谷洋太郎『殺意の演奏』の名前も見られる。新書判でも出ていたのか、知らなかった。)
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