講談社ノベルス、2011.11。※以下ネタバレ注意です。

 <国際江戸川大学の1年生、ぴいくんと慎之介は、同期生の古都里[ことり]ちゃん、海月[みづき]ちゃんと居酒屋「ちの利」で開く宴が学校帰りの楽しみ。そんなある日、大学に伝わる恐怖の七不思議、通称「江戸七」の一つを目の当たりにしてしまう。4人は、ぴいくんの従弟である天才高校生、千葉千波くんに解決を依頼するのだが――!? 書き下ろし特別編も収録した、ユーモアとパズル感覚満載の好評シリーズ第5弾!>(表紙カバー背より、[括弧]はルビの一部)

「事件日記」から「怪奇日記」に。「パズル」は大幅に減少(涙)。しかも、仮に推理小説なら活躍できるはずのパズラー千波くんが、怪奇小説(ホラー小説)ではきれいにシュート(?)を決めきれないようだ。幽霊やお化けが怖いらしい慎之介、幽霊(というか肉体なき精神)の存在を認めていない千波くん。新メンバーの古都里ちゃん(奈良古都里)&海月ちゃん(水無月海月)の2人は措いておいて、残るのは、なんと語り手の「ぼく」(=「八丁堀」「ぴいくん」)。入学早々(入学式の日に)学校の階段から落ちたらしい「ぴいくん」は、古都里ちゃんから「階段落ちくん」と呼ばれている(のちに「落っこちくん」に短縮)。やっぱり階段落ちイコール怪談オチ? そもそもけっこう“居酒屋小説”なので、未成年の千波くん(現在高校3年生で、両国の親戚の家から代々木の予備校へ)の影は、以前よりだいぶ薄くなっている。江戸家猫八…じゃなくて、江戸七。この巻では4つまでが登場。最後のへんでぴいくんがしんみりとあれこれ(?)語っているけれど、これは、まだ続編があるのかな? そう、同じ最後のへん(浪人生活と大学生活との比較もある)に出てくる「桜田花流水(さくらだ・はなみ)」ってちょっといい名前だと思う。似合っているというかお似合いというか。

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ぜんぜん関係ないけれど、この前(といっても2ヶ月くらい前かな)、アクセス解析(の「検索ワード」のところ)を見たら、「松本智津夫 浪人」とあって。自分、そんな名前、書いたっけかな…。書いたような書いていないような…とか思って調べてみたら(なんか虚しい、自分が書いたものを自分で検索)ちゃんと書いてあった。当たり前か。髙山文彦『麻原彰晃の誕生』(文春新書、2006)という本しか読んだことがないけれど、浪人しているといえば浪人している。のちの奥さんとはそのとき=1977年、Yゼミで知り合っているのだけれど(2人はいまで言う「できちゃった結婚」?)、奥さんのほうは、年齢的にもふつうに「浪人生」という感じ(千葉の田舎のほうから代々木まで電車通学)。

当時の日本で(いまでも?)いちばん人口が多かった予備校かもしれず、別に作家に限定して考える必要もないけれど(というか、この文脈で言うとファンの方に怒られそうな気もするけれど)、高田崇史って昭和33年=1958年生まれなんだよね。何月生まれなんだろう? 奥田英朗は、小説『東京物語』を読むと、浪人年は、えーと、1977年ではなくて翌年の1978年か。ほかには、芥川賞作家の大岡玲は、1958年(10月)生まれで、大学(東外大)に入るまでに2浪しているようだ。予備校には通っていたのかな? でも、基本的に芥川賞作家ってYゼミのイメージがないな(差別か(汗))。あと、どこで浪人していたのやら(栃木? or東京?)山田詠美は、1959年の早生まれで1浪している。
 

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