河出書房新社、2004/河出文庫、2006。手もとにあるのは文庫版。微妙といえば微妙な感じだったけれど、面白かったといえば面白かったかな(煮え切らない発言(涙))。※以下いちおうネタバレ注意です。

 <19歳のオレと39歳のユリ。恋とも愛ともつかぬいとしさが、オレを駆り立てた……美術専門学校の講師・ユリと過ごした日々を、みずみずしく描く、せつなさ100%の恋愛小説。「思わず嫉妬したくなる程の才能」などと、選考委員に絶賛された第41回文藝賞受賞作/芥川賞候補作。短篇「虫歯と優しさ」を併録! ◎解説=高橋源一郎>(表紙カバーより)

タイトルからは想像がつかなかったけれど、読んでみたら(↑の言うとおり)“恋愛小説”という感じだった。自分が読んだことがある作家では、川上弘美とか絲山秋子とちょっと似ているかな。内容というよりは文体が。そういえば最初のほうに何箇所か、読みにくい文があった気がする。特に冒頭のセンテンスって読みにくくない?(鳥って足を降ろしながら飛ぶんだっけ? 小鳥であれば、かなり低く飛んでいたとしても、下から肉眼で足を見ることはできない気がする)。相手が年上の恋愛小説、と言われると、村山由佳『天使の卵』を思い出してしまうけれど、うーん…、広い意味で美術系ということでは、似ているといえばちょっと似ているかも。

途中からはフラレ大学生…ではなくて“フラレ専門学校生”? あ、そういえば、デートで高尾山に登っている(関係ないけれど、以前、読んだ角田光代の小説では、失業後にだっけな、友達と登る予定だったのに中止していて、「登れよ!」と思ったことがあるので、今回その不満が微妙に解消された(汗))。「オレ」(=磯貝みるめ…って、すごい名前だな)は、美術の専門学校に通っている(どこにあるんだっけ? …渋谷のへんだった気もする)。ユリ(=猪熊サユリ、子どもなし夫あり)とは、「デッサンⅡ」の授業の先生と生徒、として知り合う。――個人的によくわからないのだけれど、美術の専門学校(3年制)に通うのに、その前に予備校に通う必要があるの?(大学受験予備校ではなくて“美術専門学校受験予備校”?)。

 <油絵を勉強したかったオレは、高校を出たあと一年間予備校に通ってから、三年制の学校に入った。>(p.11)

例えば「オレ」は高校時代にはまったく絵の勉強をしたことがなくて、この専門学校では基礎の基礎からは教えてくれない…みたいなことなのかな?(そういえば、私はぜんぜん知らなかったのだけれど、いつだったか本屋で2回くらい見たことがある、『別冊アトリエ』と言うんだっけ、美大受験生向けの雑誌もあるよね。ちょっと手に入れて読んでみたい気もする)。ユリさんは、けっこう不思議系の人? …まぁどちらでもいいか。「オレ」は親子丼を作れるらしい(ちょっとうらやましい)。同じ学校での友達には、堂本やえんちゃん(遠藤祥子)がいる。えんちゃんは家業(電気屋)を継ぐために結局、学校をやめてしまう(登場してくるのが20歳前後の若者たちなので、この前…と言ってももう昨年か、朝井リョウ『もういちど生まれる』や高田崇史『千葉千波の怪奇日記 化けて出る』を読んだあとに読んでしまえばよかったな、この小説)。「オレ」が住んでいるのは、北浦和のアパートらしい。アルバイト先はイタリアン・レストラン。誕生日はクリスマスな12月25日で、最後は22歳に。――というか、今回も関係ないことばかり書いていて、ぜんぜん感想になっていないな(涙)。
 

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