野村美月 『ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件』
2012年3月14日 読書
ファミ通文庫、2012.3。イラストは、karoryという人。アンソロジーなどを除いて野村先生単著では、数年ぶりに竹岡さん(竹岡美穂)以外の人によるイラスト? 舞台も『フォーマイダーリン!』以来の日本以外? ネタバレしてしまうけれど(※以下同様にずっとネタバレ注意です)、あと描きの背景は、もしかしてキーワードなひよこ豆?(笑)。そう、個人的にはどこかで鈴(シェリ)の絵を描いてほしかったな。――それはそれとして。感想というかは、そもそも個人的に(“男装もの”もそうだけれど)“女装もの”ってあまり好きじゃないんだよね…。ま、でも、この小説ではそれが“萌え”(女の子だらけの場所へ投入されて…)とか“女の子にないたい願望→充足”とかではなくて、コメディ(お笑い?)に通じていたりして――読んでいて後半は、けっこう面白かったかな(最初の主人公が巻き込まれていく感じは、ちょっといまいちだったかも)。
<『グリンダ・ドイルを廃業する』そんな言葉を残して、“万能の天才”グリンダは、同盟国への派遣を目前に失踪した。このままでは国際問題に――というわけで身代わりとして白羽の矢が立ったのが、グリンダの双子の弟、つまりこの僕、シャールだった。いや無理! 僕男だし! 天才の姉と違ってニート予備軍の浪人生なのに! 抵抗も虚しく女装させられ、同盟国の王様一家の家庭教師をやることに……!? ファンタジー家庭教師コメディ待望の文庫化!>(表紙カバー後ろより)
「僕」(=シャーロック=ドイル、愛称シャール・17歳)は大学の予備科の受験に失敗して浪人中。「予備軍」なのはいいけれど(ダメ浪人生の現状認識として正しいかもしれないけれど)、この男の子、何度も「ニート志願」と言っていて――こころざしたり願ったりしたら駄目だろう、ニートを(汗)。というか、なりたければ来年の受験をやめる、と宣言するだけでいいのでは? あと、2、3回かな、「家事手伝い」とも言っていて――5歳で両親が亡くなっているらしいけれど、「手伝い」ではなくて「家事」自体はどうしていたのかな? 収入(あるいは食料調達)なら天才の姉・グリンダが、どうとでもしてくれそうだけれど。あやしいものを作って売ったりとか、ジャンケンしたりとか(笑)。そう、このお姉ちゃん(野村先生が描くところの“天才”)がけっこう面白いよね。逃走中、神出鬼没で奇行(?)が文字どおりに目立っている…。ほんともう捕まっていてもおかしくない(鬼ごっこか!)。あ、男女の双子って一卵性ではなくて二卵性だっけ? そんなに似ているのかな?(中学校のときに同学年に1組いたけれど、それぞれの顔がいまとなってはよく思い出せない)。話をちょっと戻すと、お城には「僕」好みの年齢と容姿(16, 7歳で可愛らしくて胸もゆたか)なのに世界をBL妄想の材料としか見られない、残念なメイドさん=アニスがいるのだけれど、家庭教師もメイド(和風にいえば家政婦さん)も身分的には、同じようなもの? 家庭教師は、国王一家からも「先生」付けで呼ばれているけれど。なので(?)「家事手伝い&浪人」から「家庭教師」に変身(?)というのは、別にそれほど不自然ではないかも。――いずれにしても、私にはきれいに分解(?)できないけれど、けっこううまくあれこれ設定がされている模様。
この無番号な第1巻では、第一王女・聖羅(せいら)姫がフィーチャーされている感じだったけれど、今後、けっこう気になる、お姉ちゃんの失踪の理由とか、国王(シザエル)と“遠い国”出身の王妃様(雪)のなれそめとか――も明らかになっていくかもしれない。そもそも正体がばれたら困る以外に、いまのところ何か“問題”があるわけでもないし(ロイヤル・ファミリーは最初からわりとうまくいっている感じだし)この小説、どこにゴールがあるのか私にはいまいちわからないけれど――ま、とにかく、続巻が出るのを待っていたい。
<『グリンダ・ドイルを廃業する』そんな言葉を残して、“万能の天才”グリンダは、同盟国への派遣を目前に失踪した。このままでは国際問題に――というわけで身代わりとして白羽の矢が立ったのが、グリンダの双子の弟、つまりこの僕、シャールだった。いや無理! 僕男だし! 天才の姉と違ってニート予備軍の浪人生なのに! 抵抗も虚しく女装させられ、同盟国の王様一家の家庭教師をやることに……!? ファンタジー家庭教師コメディ待望の文庫化!>(表紙カバー後ろより)
「僕」(=シャーロック=ドイル、愛称シャール・17歳)は大学の予備科の受験に失敗して浪人中。「予備軍」なのはいいけれど(ダメ浪人生の現状認識として正しいかもしれないけれど)、この男の子、何度も「ニート志願」と言っていて――こころざしたり願ったりしたら駄目だろう、ニートを(汗)。というか、なりたければ来年の受験をやめる、と宣言するだけでいいのでは? あと、2、3回かな、「家事手伝い」とも言っていて――5歳で両親が亡くなっているらしいけれど、「手伝い」ではなくて「家事」自体はどうしていたのかな? 収入(あるいは食料調達)なら天才の姉・グリンダが、どうとでもしてくれそうだけれど。あやしいものを作って売ったりとか、ジャンケンしたりとか(笑)。そう、このお姉ちゃん(野村先生が描くところの“天才”)がけっこう面白いよね。逃走中、神出鬼没で奇行(?)が文字どおりに目立っている…。ほんともう捕まっていてもおかしくない(鬼ごっこか!)。あ、男女の双子って一卵性ではなくて二卵性だっけ? そんなに似ているのかな?(中学校のときに同学年に1組いたけれど、それぞれの顔がいまとなってはよく思い出せない)。話をちょっと戻すと、お城には「僕」好みの年齢と容姿(16, 7歳で可愛らしくて胸もゆたか)なのに世界をBL妄想の材料としか見られない、残念なメイドさん=アニスがいるのだけれど、家庭教師もメイド(和風にいえば家政婦さん)も身分的には、同じようなもの? 家庭教師は、国王一家からも「先生」付けで呼ばれているけれど。なので(?)「家事手伝い&浪人」から「家庭教師」に変身(?)というのは、別にそれほど不自然ではないかも。――いずれにしても、私にはきれいに分解(?)できないけれど、けっこううまくあれこれ設定がされている模様。
この無番号な第1巻では、第一王女・聖羅(せいら)姫がフィーチャーされている感じだったけれど、今後、けっこう気になる、お姉ちゃんの失踪の理由とか、国王(シザエル)と“遠い国”出身の王妃様(雪)のなれそめとか――も明らかになっていくかもしれない。そもそも正体がばれたら困る以外に、いまのところ何か“問題”があるわけでもないし(ロイヤル・ファミリーは最初からわりとうまくいっている感じだし)この小説、どこにゴールがあるのか私にはいまいちわからないけれど――ま、とにかく、続巻が出るのを待っていたい。
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