山田詠美 「アイロン」
2012年5月16日 読書
『マグネット』(幻冬舎、1994/幻冬舎文庫、2002)所収、9篇中の8篇目。手もとにあるのは文庫版。以前、ネットで検索していたら出てきたので(あまり記憶にないけれど、手書きノートに題名がメモしてあった)、読んでみたのだけれど(文庫をたまたま持っていたから。後ろの解説を川上弘美が書いているのでそれで買ったのかもしれない)、とりあえず「浪人生」は出てこなかったです。内容というかは、ひと言でいえば、ほとんど頭の中身小説? 会社員の「私」いわく、脳みそは自由。――で、最近、朝の満員電車で見かける男性が気になっていて、その人に対してもとりとめのない妄想が…。
<(略) 暗い色のスーツ姿の会社員に混じって、ジーンズやチノパンにシャツやセーターを合わせた彼は、まるで学生に見える。学生かも。だとしたら、ずい分と大人びた学生だ。きっと浪人してる。浪人って良い響き。言い換えれば、ただの予備校生ということになるのかもしれないけど、彼には違う意味を与えてあげる。(略)>(p.185)
「浪人」って「良い響き」だったんだ、知らなかった(汗)。しかも、「浪人」のほうが「予備校生」よりも、評価が高くなっている(ちょっとびっくり)。ふつうは逆? 相手に身分を尋ねて「浪人生です」と返されるよりも、「予備校生です」と言われたほうが、納得できる人が多い?(この前、読んだ今邑彩の小説にはそんなようなことが書かれていた気が。組織に所属がどうたら、みたいな話)。
関係ないけれど、通勤中の満員電車内風景(?)が描かれた小説ってけっこうあるよね? …とか言いつつ、いま、具体的に1つも思い浮かんでこないな(汗)。
<(略) 暗い色のスーツ姿の会社員に混じって、ジーンズやチノパンにシャツやセーターを合わせた彼は、まるで学生に見える。学生かも。だとしたら、ずい分と大人びた学生だ。きっと浪人してる。浪人って良い響き。言い換えれば、ただの予備校生ということになるのかもしれないけど、彼には違う意味を与えてあげる。(略)>(p.185)
「浪人」って「良い響き」だったんだ、知らなかった(汗)。しかも、「浪人」のほうが「予備校生」よりも、評価が高くなっている(ちょっとびっくり)。ふつうは逆? 相手に身分を尋ねて「浪人生です」と返されるよりも、「予備校生です」と言われたほうが、納得できる人が多い?(この前、読んだ今邑彩の小説にはそんなようなことが書かれていた気が。組織に所属がどうたら、みたいな話)。
関係ないけれど、通勤中の満員電車内風景(?)が描かれた小説ってけっこうあるよね? …とか言いつつ、いま、具体的に1つも思い浮かんでこないな(汗)。
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