櫛木理宇 『ホーンテッド・キャンパス 桜の宵の満開の下』
2013年8月27日 読書
角川ホラー文庫、2013.4。大学のオカルト研究会の面々が学生などから寄せられたオカルト現象(またはそうかもしれない)に関係する相談ごとを、あれこれと解決したりするシリーズの第3巻。どうでもいいけれど、主人公の森司くん(この巻で2年に)はいつまでも「視えるだけ」とか、怖い霊の場合は怖い、みたいなことを言っていないで、冒頭の話、春休みが暇ならどこかに除霊の方法でも習いに行けばいいのに、と思う。知識だけなら部長さんだって詳しいだろうに。学生さんは日々勉強!(「勉強」違いか)。このままでは憑かれやすいこよみさんの立派なナイトにはなれないとよ? 今巻から恋のライバル、小山内くんも登場してきているし。あと、これもどうでもいいけれど、食べ物について。前巻のクリスマスの鍋はいまいちな感じだったけれど(※個人の感想です)、今巻のお花見の食べ物はなんていうか、豪勢なことになっている。頼れる姉貴的な存在の先輩、副部長の藍さんは、朝イチで釣って来たという魚(自分でさばいたというイナダ、サワラの刺し身)を持って来ている。そう、前巻の居酒屋での注文のしかたとか、藍先輩ってそういう方面にこだわりがあるキャラだったよね(忘れていたけれど、その居酒屋の話には、大学デビューに失敗したと友達から思われている大学生が登場している。主人公たちの大学=雪越大学には落ちて、でも浪人することは許されなかったそうで、受かった滑り止めの大学に通っている男子学生。このブログ的には、食べ物とかよりもそういう箇所に触れておくべきだったかな…)。一方の学生ひとり暮らし、業務用パスタ中心のしんじー’sキッチンはあいかわらず。旬な春キャベツを投入したりはしているけれど。ところで、学業に恋愛にと省エネ低空飛行を続けているように見えるこの大学生は、卒業後の進路はどうするんだろうね? 能力を生かして思いきってオカルト相談所の開設? あるいは大学のご近所に量と安さが売りのパスタ屋を開店?(その前に軽食『白亜』に弟子入りでもする?)。そういえば毎度出てくる、部室で飲まれているコーヒーは、なんていうか(夜明けのコーヒーではなくて)魔除けのコーヒーっぽい?(違うか)。前巻、前々巻の感想のときにも触れたかもしれないけれど、このシリーズ、出てくるモノにしても、使われている言葉にしても、全体的にそのまんま感があるというか、文字どおりな意味で即物的な感じがするというか。それが文章的、ストーリー的なわかりやすさ(あるいはヒロインの感情のわかりにくさ)に貢献していたりもするのかもしれないけれど。ま、でも、サボテン(1ヶ月くらい固定カメラで撮影して早送りで再生したとしても、ほとんど変化が見られなそうな植物)にだって、ちゃんと花が咲いたりもするわけだし、別にそれはそれでいいのかもしれない(意味不明?)。で、この手のシリーズもの、もうきりがなさそうなので(帯には次巻の発売予定日も書かれているし)感想を書くのはこれで最後にします。いままでけっこう文句も書いてしまっているので(ファンの方々、すみませんm(_ _)m)、今後も継続して読んで、シリーズの最後までちゃんと読み続けたい(見届けたい)とは思っているけれど。そう、登場人物紹介の森司のところ、「(一浪)」はいつまで付けられ続けるんだろう? スティグマっぽいというか、ちょっと可哀想な感じ?(可哀想と思うことが可哀想か)。思えば、高校では後輩であり、大学では同級生のこよみさんから「先輩」と呼ばれている時点で、良くも悪くも、大学のほかの同級生たちには浪人していることが丸わかり? …これもどうでもいいか(嫌な場合には本人がやめてくれ、と言えばいいだけの話)。
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